北海道車中泊の旅日記・03 一気に北上し、パーティーは3人に

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03 一気に北上し、パーティーは3人に
8/22(火)美瑛~稚内~利尻

22日、翌朝起きたら超がつくほどの土砂降りで1日が始まった。昨日の晴天はどこへやら、である。
同じ日に泊まっていた家族連れが、朝のうちに青い池に出かけると言ってたが・・・お気の毒。

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今回の宿で唯一、夕食と朝食の両方が付いていた給食室、朝ごはんもまた豪勢だった。 おばちゃんが近所の牧場に直接買いに行く朝の搾りたて牛乳もいただいた。市販のものと全然違って、甘くてコクがある。
あと、北海道はお米がとてもおいしい!2杯目もお代わりしてしまった。

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そういや昨日、スーパーで仕入れていた見たことない飲み物(おばちゃんも見たことないと言っていた)を朝食時に出してもらって皆で飲んでみたら、意外にもおいしかった。お子さまたちにも好評でよかった。
タングロン、やるな。
正直、パッケージの見かけは全然おいしそうじゃないのに。
この日は稚内まで一気に移動するだけの日で、特に観光の予定はなかったのでのんびり準備し、朝9時頃チェックアウトした。
とても居心地よい宿だったと思う。
ゲストハウスと比べると一見割高に思えるが、2食付きと考えるとリーズナブルだ。
美瑛に来た時にはまた泊まりたい。

そして、結構な雨降りの中、一気に北上する。
天気も悪いし、特に寄りたいところもなく、また旭川近辺を経由してどんどん北へ向かう。 途中、国道を走っていると色んな町や村のカントリーサインがいっぱいで、水曜どうでしょうをほうふつとさせた。
印象的だったのは牛がざるで潮干狩りしているカントリーサイン。どこの町だったか・・・(※あとで調べてみたら、天塩町と判明した)

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この日はお昼ごはんを食べるお店がいまいち見つからず、途中の道の駅で食べたまんじゅうとトウモロコシでお腹いっぱいになったので、お昼は抜きにした。
さらに移動中、小鳥をあやまって轢いてしまうという悲しくショックなことがあり、二人ともテンションだだ下がりだった。
走行距離がラッキーセブン(777km)を突破したのはこの頃である。
ただ、どこも寄らずに稚内へ行ってしまうのもね、ということで、展望台に行ったものの、まだしょんぼり気味な私たち。
会話も少なく、展望台の名前すら覚えていない。
その後、サロベツ原野の中を走れるみたいだよ、ということで行ってみたら、さっきまで雨を降らせていた雲が切れて、少しずつ晴れてきた!
しかも雨上がりの後の太陽って、虹が出そう、と話していた矢先、本当に「虹だー!!!」急いで車を停めてシャッターを切る。
低くて平たい不思議な形の虹だった。
消えかかっていたのでiPhoneで、しかもわずかしか写らなかったけど、後にも先にも、旅で虹が見られたのはこの1回きりだったのでよかった。
重たい雲が少しずつ晴れてきて日が差してきたあの光景を見ていたら、勝手な言い分かもしれないけど小鳥の命を奪ってしまったことから何となく救われた気がした。
鳥さんごめんなさい。(その後、私たちは旅の終わりまで鶏肉を食べない、という誓いを立てる)

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この後、砂丘の駅とやらに寄ってみたけど特に砂丘を楽しめるという感じではなく、トイレ休憩だけして稚内へ向かう。
もうこの辺はオロロンラインという日本海側の海沿いの道で、晴れていたら気持ちよかったんだろうなあと思いながら運転する。(その後、帰りの稚内から南下する時一人で運転したけど気持ちよかった)

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稚内に近づいてきたあたりで、前の車のスピードがいやに落ちて、のろのろ運転になっていたのでなんだろう?と思ってよくよく見たら、道の脇で鹿がのんきに草を食べていた。 前の車はそれを撮っていたらしい。
私たちも急いで降りたら、鹿たちはどうやらファミリーらしく、家族総出で草をはむのに忙しい様子。なんて自由な・・・
お母さんらしき鹿は私たちの方をじっと見ていたけど、お父さんや子どもたちは意に介さずお食事に夢中だった。
それにしても、北海道の国道では鹿や狸の絵で動物飛び出し注意と書いてあるけど、この子たちは轢かなくて本当によかった。
小鳥には申し訳ないけど、鳥くらいならそこまで車にダメージはないが、鹿なんて轢いた日には、下手したら廃車→旅の強制終了である。
そういえば一人行動していた時、キツネが轢かれてたり猫が転がってたりカモメが道で死んでたりと、結構色んなものの上を通過した。
車社会の北海道では、日常茶飯事なのかもしれない。

この日の宿は、稚内の「北の宿」に決定。
もともと予定が決まっていなかったが、結局当初の予定通り23日に利尻島入りすることにしたので、稚内は普通の民宿を取る。
すぐ隣が温泉施設だったので、割引チケットをもらってまた温泉に入った。完全に温泉づいている。
夜ごはんは、最初ノシャップ岬の海鮮丼を食べよう!と、夕日を見てから行ってみたら、最初通ったときは暖簾が出ていたのに着いたときにはなんと既にタッチの差で閉店していた。ガーン。
しょうがないので、稚内の繁華街で食べよう、とうろうろするも、どうやら団体客ばかりでどこも満席。はっきり言って、稚内の繁華街はこんなにさびれているのに何なんだ、このバイアスかかった混みっぷりは。

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海鮮気分を引きずっていたがどこもキャパオーバーの満席状態で、結局稚内でもラーメンを食べた。素朴な塩味が空腹にしみた。
翌朝のフェリーは10:50発でゆっくり出発なので、少し遅くまでワイン飲みながらテレビを見ていた。

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翌朝23日、北の宿についていた朝食をいただく。お味噌汁にホタテが入っている!なんという贅沢。
美瑛の時も思ったが、お米がとにかくおいしい。
宿のおじちゃんはパンチパーマでちょっと見た目がこわもてだが、実は奥さんの方が立場が強そうで、想像するとちょっと愉快だった。
チェックアウトはしたものの、フェリーの出発までまだ時間があるので車だけ置かせてもらってその辺を散歩した。
宿の裏にちょっとした山があって、どうやら歩けるハイキングコースがあった。しかもそこは鹿ファミリーの通り道でもあるらしく、鹿の糞がその辺にたくさん転がっていた。
廃墟になっている喫茶店などのお店もあって、写真撮影的におもしろいエリアだったのでもう少しうろうろしたかったけど、時間が迫ってきたので稚内のフェリー乗り場へ向かう。
ここで、ユリコさんと合流!
ユリコさんはヤマキさんのお友だちのイラストレーターで、旅の話をしていたらほぼ同じ時期に北海道の礼文・利尻に行こうと計画していることが判明し、これは合流して一緒に行っちゃおうよ!ということになった人である。
こんな最北の地で合流するなんて、いや、合流できるなんておもしろい。
携帯がない時代はとうてい無理だっただろう。

ところで乗船手続きをしようとしたら、なんと前日予約した我が愛車の車長が、本来5m以下で登録しなければいけないところを間違って6m以下で予約していたらしく、登録修正しないと乗船できないとのこと。
ええー!! 大は小を兼ねるとかないのか!と思ったが、急いで車に戻って借りていたポケットWiFiを立ち上げ、何とか車長の登録を変更した。
これまでせっかく借りていたポケットWiFiだったが、行く先々の宿で全てWiFiが完備されていて借りた意味なかったか、とさえ思ったが、この時ばかりはポケットWiFiがあって助かった。
まあ港のWiFiがもしかしたらあったかもしれないが、動転していたので探す余裕もなかった。

また、フェリーの車乗船時はドライバー一人だけなので、私だけ車で乗船し、二人は一般乗船から乗ってもらう。
稚内から利尻までは約2時間で、去年行った礼文島とかかる時間は大体同じくらいである。
出航と到着時、変なテーマソングが流れるのは変わっていない。
この行きのフェリーでは、私はなぜか急激に眠くなり、転がって昼寝した。

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後は適当に時間をつぶしていたが、だんだん到着時間が近づいてきて外に出てみたら利尻山がばばーん!と目の前にいた。
そう、昨日サロベツ原野を走っていた時も、ついに利尻山がベールを脱いでくれて興奮したのだった。
最初にも書いたが、去年の礼文島の時は3泊もしたのに一度も利尻山をおがむことができなかったのだ。いざ眺めてみるとこんなに近いのに、どれだけ雲が厚かったのだろうか。
利尻島は山が島、島が山。利尻島=利尻山、なのだ。
利尻富士、と称されるだけあって確かにきれいな形をしていた。


0823.3フェリー内の車置き場はこんな感じのパズル状態である

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北海道車中泊の旅日記・02 絶景、また絶景

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02 絶景、また絶景
8/21(月)美瑛

この日も朝から快晴だった。
仕事から解放されたというすがすがしい気持ちを胸に、ビジネスホテルについていた朝ごはんをいただく。ホテルは安さ重視だったので食事は全然期待してなかったが、好きな納豆がついていてうれしかった。
そして朝食後、すぐに行動を開始した。

この日の夜に泊まる予定の宿は、旭川から少し下に戻る美瑛にあるため、観光はその周辺となる。
旭川から美瑛を目指しつつ、最初の目的地は行ってみたかった幌加内町の白銀の丘だ。ちょっと距離的に無駄な往復になるけれども、そばの白い花が一面に咲くところで、ぜひ行ってみたかった場所の一つだった。
この日はいい天気すぎて、とてもすばらしい景色だった。菜の花やひまわり、コスモスなど、カラフルで華やかな花畑は見たことがあるが、つつましやかな白い花畑は初めてで、しかもあまり人に知られていないのか、観光客らしき人はほとんどいなかった。

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そばの花というのもを初めて見たが、この可憐な花が咲いた後に実がなって、それをすりつぶすか何かするとそば粉ができて、私たちが食べるそばになるのかと思うととても不思議だった。

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次に向かったのは美瑛の有名な青い池だ。
私は母親が北海道の釧路出身のため、北海道自体は昔から何度も来たことがあるのだが、ここは割と最近有名になった観光地のため行ったことがなく、初であった。
ワークショップに参加してくれた人から「すごい人ですよ」と聞いていて覚悟したものの、何とか駐車場には入れたし、思ったほどの混雑ではなくて写真もバシバシ撮れた。
もっと小さくてしょぼい池を想像していたけれど、思ったよりも大きい、そしてやはり美しい。日によって池の色が刻々と変わるらしいが、特に晴れた青空の日が、水のブルーが際立っていいらしい。
ちなみに池の近くを流れる川の水も青かった。なぜ青いのか理由を調べてみたところ、 白金温泉街にある「白ひげの滝」などから、アルミニウムを含んだ水が流れ出ており、この滝が美瑛川の水と混ざると目に見えないコロイド状という粒子が生成され、それが太陽の光をまんべんなく散乱させているとのこと。
これをもう一度そらで説明しろと言われてもおそらく無理そうである。
ちなみに、この青い池に行く途中にある道の駅みたいなところで、お昼に美瑛カレーをいただいた。
自撮りする人々で大混雑の青い池を後にし、この日もう1か所行きたかった十勝岳の望岳台へ。
たまたまだが、その日調べてみたら青い池のすぐ近くでラッキーだった。

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ここは車で標高1000mの登山口まで行けるところで、車から降りたらいきなりすごい絶景が広がっていた!
普通、登山口はたいてい森の入り口で、樹林帯に覆われていることが多いが、この大雪山系の十勝岳はいきなり高い樹が生えない標高の森林限界から始まるルートである。
目の前には噴煙が立ち上る十勝岳(十勝岳は活火山である)のほかにもぐるっと山々がそびえたっていて圧巻の眺めだった。さすが北海道、スケールが違う。
この日はすごく天気がよかったので、登りたい気持ちをぐっと抑えた。
登山者の恰好をしている人たちも多く、ちょうど時間的に下山してきた人たちもちらほらいた。来年行くときは絶対登りたい。
十勝岳のビジターセンターも最近できたばかりの建物らしくて、とても新しくてきれいだった。変な話、山行の時はここで車中泊して朝イチで登り始めるのもよいかなと思った。

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ビジターセンターでは美瑛フロートをいただく。
正直、普段甘い物にはあまり興味がないのでフロートを注文することはほぼ皆無なのだが、ちょうどのどが渇いていて、でもソフトクリームも食べたくて・・・というときにちょうどいい、ソーダフロート。

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さて名残惜しいが、そろそろチェックインの時間が近づいてきたのでこの日予約してある美瑛の宿、給食室へ向かった。
ここは以前給食を作っていた経歴のおばちゃん(と自分で名乗るので、私たちも自然とおばちゃんと呼んでいた)がやっている宿で、美瑛の有名なスポットからほど近く、誰かの家に泊まりに来たみたいな気楽さがよかった。
朝・夕どちらもごはんがついており、どちらもかなりのボリュームでごちそうだった。
夕食の前に、おばちゃんが温泉の割引券あるから入ってきなーと渡されてよくよく見たら、さっき通ってきた白金温泉エリア(白ひげの滝とか青い池のあたり)で、元来た道を戻る形になったが、温泉はとても気持ちよかった!(※注:この後、旅では6~7回温泉に入ることになる。北海道はあちらこちらに温泉があって大体入浴料が500~600円くらいなので、温泉に入ってから車中泊、という黄金の行動パターンができる)

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お風呂でさっぱりした後、また30分かけておばちゃんの給食室へ戻ってみると、チェックイン時には全然いなかった車がもう2台も停めてあった。
1日4組しか取らないらしく、あとは女性1人が来るということだったが、うちの車をどこに停めるかおばちゃんに指示されている間に、その女性が車で到着。
車を見ると、以前うちが乗っていた愛車と同じ、軽のミラジーノだった。
夕食時に、その人も関東の人で、東北の青森まで運転して青森から函館を経由し、美瑛に到着したという話を聞いて仰天した。
軽自動車での高速運転は全然パワーが出ないので、長距離の移動はかなりきつい。以前ミラに乗っていた時は全くやろうとも思わなかった。
根性に自信がある人はぜひやってみてほしい。

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夕食後、眼鏡を装着し、パーカを着込み、チューハイを1缶持って宿の前の道路に寝転んで星を眺めた。
丘と一緒に撮ったら美瑛らしいかな?と思ったが、おばちゃんの言う通り丘のバックには旭川からのかなりの光害があって微妙だった。かなり遠く離れているのに、都市ってすごい。
美瑛では防雪林と一緒にいい感じの天の川が撮れて大満足。流れ星もたくさん眺められた。
その後雲が出てきてしまって、結局朝日も見れずじまいだったので(考えてみれば、今回の旅では日の出には恵まれなかった、しかも翌朝は土砂降り!)夕食後早々に星を見られてラッキーだった。
そのうち、23~25の3泊で取っている利尻の山の天気予報があやしくて、ヤマキさんと稚内で合流予定のユリコさんがメッセンジャーでやり取りするも、私は疲れて横で爆睡していた。

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北海道車中泊の旅日記・01 車ごとフェリーで、北の大地へ

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01 車ごとフェリーで、北の大地へ
8/17(木)~8/20(日)大洗~苫小牧~札幌~新十津川~旭川

8月17日、お盆明けの出発当日。私とヤマキさんは夕方ホトリに集合し、フェリーが出る港、大洗へ出発した。
ヤマキさんは、ホトリのTシャツやトートバッグのデザインなどでお世話になっているイラストレーターさんなのだが、今回の私の北海道旅でスカウトしたら二つ返事で参加表明をくれた猛者である。「車の運転、できないけど!」と言われたが、こちらはその件に関しては全然期待していなかったので問題はない。助手席で私の居眠りを阻止してくれればそれだけでOKだ。
鉄分多めの彼女は、途中廃線寸前になっている北海道の鉄道に乗りたいという自由行動を条件に、私との交渉が成立。一緒に旅をすることになった。

これからしばらく仕事をしなくてもいいように身辺整理?をしながらの準備だったため、いつのまにか出発日が迫っていた。二人とも旅に出る実感はまったくなかった。旅のはじまりは何となく、というのはいつからだろうか。
子どもの頃は家族旅行が決まると、その日まで指折り数えて楽しみにしていたものだが、大人になると旅に出る時間をひねり出すために、その直前までの毎日が仕事に忙殺されることになる。

話がそれた。
ホトリがある台東区・浅草橋から、東向島、葛飾を北上し、常磐道を経由して約2時間半後に大洗に到着した。ホトリを出発したのが夕方5時くらいだったので、既に辺りは暗くなっていた。ちなみにフェリーの出航時間は真夜中の1時。どう考えても早く着きすぎている。
ただ暗い夜道を運転するのはちょっと嫌だったので、早めに到着してゆっくりしようと思っていた。が、大洗、何もない。(茨城の皆さますみません)港に車を停めて、周辺を散歩してみるものの、時間をつぶせるようなお店がない。
何とかのれんが出ている定食屋さんを発見し、そこで夕食を取ることにした。私はこれからさんざん海鮮系を食すであろうに、なぜか海鮮バラチラシ丼を注文してしまった。食べてから気づくから我ながら間抜けである。ヤマキさんの干物定食は、なぜか種類が違う魚が2種類も乗っていてボリューム満点だった。

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夕食を食べてもまだまだ時間が余っていたので、フェリーの駐車場で大型フェリーの中からトラックがばんばん出てくる様子を眺めてはきゃーきゃー言いながら動画や写真を撮りまくった。
トラックの荷台部分がない、運転席だけのバランス悪いやつがその辺を走っていてかわいかった。
やっと乗船時間が近づいてきて、車での乗船はドライバー一人だけと決まっているので、同行のヤマキさんは一般乗船口から乗船、私は車に乗って待機した。車でのフェリー乗船は初めてなのでかなりドキドキした。一列に並んでそろそろとタラップから進むのだが、縦列駐車とかやらなきゃいけなかったらどうしよう、という心配は無駄に終わった。
フェリーの係の人が優しく誘導してくれるので大丈夫だった。

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無事乗船し、フェリーの船室に行ってみると4人ベッドがある部屋が、なんと二人で貸し切りだった!ラッキー!
レストランはないけど、サウナまである窓付き大浴場はあるし、熱湯が出るカップ麺も食べれてかなり居心地がよい。真夜中だったが、出航からしばらくは甲板の上で海上の風を楽しむ。
残念ながらかなり雲が多くて、朝日や星空は見えなかった。夜遅かったので、この日はそのまま就寝。

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翌朝、大洗のコンビニで買ってあった朝ごはん後、コーヒーを飲んだらちょっと気持ち悪くなってきた。コーヒーが船酔いを助長したらしい。ヤマキさんによると、ハイチュウ食べるとよくなるそうで、半信半疑だったが実際に食べて寝たら本当にマシになった。ハイチュウを食べたのは中学生以来だった。
約19時間とかなりの長旅だったが、途中昼寝したり、大浴場につかったり、窓際のテーブルで海を眺めながら本を読んだり、持ってきていたDSでゲームやったりと、かなり快適な船の旅だった。ヤマキさんなんて船酔いしやすいと言っていたのに、揺れる船内で仕事をしていた。ノマドスタイルは場所を選ばないのだ。(それは、後々の旅の道中で彼女が証明した)
フェリーは楽しい。さんふらわあしれとこ号、ありがとう。また来年も利用したい。そういえば、予約したかった日にちだと夕方便がいっぱいで、しょうがなく深夜便になったけれども、夕方便だともう少し設備がラグジュアリーになるらしい。次回は夕方便を狙うことにする。

18日20時頃、苫小牧港に到着した。
特に涼しくもなく、北海道に降り立った感じは全くしない。
車に乗り込んでいざ札幌を目指そうとしたものの、カーナビではまだ車は大洗にいることになっている。一度リセットしないと、ここが北海道だとナビ子(※saorinカーのカーナビの愛称。以下カーナビをこう呼ぶ)は認識してくれない。
ほとんどワープだもんなあ・・・

さて気を取り直して苫小牧から札幌を目指すも、てっきり高速に乗れとナビ子から指示があるかと思いきや、普通の県道を行けとのこと。湖のそばの国道やほとんど山の中の道など、わかっているつもりだったけど超真っ暗である。 実は私、過去の運転中ハイビームをほとんど使ったことがなかったが、やっとこの使わざるを得ない状況で操作を覚える。ハイビームを付けたとたん、いきなり道路が色んな目印が浮かび上がって親切になった!この感じすごい。
空中から吊るされた下向きの矢印が大量に連なっていて、最初なんだろうと思っていたけど雪が積もったときの目印か、と気づく。 後で調べたら「矢羽根(付きポール)」というらしい。
そんなこんなで、やっと札幌到着。すでに夜10時をまわっていた。北海道の初日の夜は、札幌市内のゲストハウスを予約済だったのだが、なんと宿の近くの駐車場が空いてない!ぐるぐる回って、宿から少し歩くところにやっと駐車することができた。いや焦った。停められないかと思った。

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事前にリサーチ済のらーめん信玄さんに並ぶ。
この日は金曜で、おそらく飲みの帰りであろう人たちで店の前は既に行列だったが、今日は遅くなってもとにかく北海道の歓迎を(洗礼を?)受けるのだ!と意地で1時間近く並んだ。
ようやくありつけた味噌ラーメンは、ようこそでっかいどうへ、と言われている味がした。本当においしい味噌ラーメンだった。
今回の旅の道中、かなりラーメンを食べたけど、私の中で今回の旅の北海道ラーメンNo.1だった。
ラーメンでお腹がいっぱいになった後は、この日の宿であるゲストハウス、ソーシャルホステル365の1階がバーになっていたので、北海道上陸祝いと称して1杯だけ乾杯し、早々に就寝した。

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翌朝、8月19日の札幌は朝からとてもいい天気だった。
ヤマキさんは早々に周辺の散歩に出かけたらしい。私はのんびり7時頃起床した。
ゲストハウス内では早い者勝ちのシャワーを浴びて身支度を済ませる。
この日の午前中は、ヤマキさん希望の水曜どうでしょうの聖地、HTB(北海道テレビ)へ向かう。
どうでしょうマニアのヤマキさんに影響されて、最近私もこの番組をYou Tubeなどで見ながらお昼ごはんを食べることも多かったので、オープニングのロケ地は見ていたものの、実際に着いてみると「ここがそうなんだ!」という感じはあまりしなかった。カメラの角度とか微妙な見え方が違うのだろうか。
けれども、やはりファンが多い番組らしく、何の変哲もない公園だがファンらしき人がそれなりにいた。(中にはムンク君風船を抱っこしている人も←わかる人にはわかるネタ)
とてもいい天気で太陽の光がまぶしくきらめいていて、ここで撮った写真は意外と素敵な風景に撮れた。

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今回の旅では、せっかく北海道へ車ごと行くのだから、札幌と旭川の2都市で私の出張写真の残しかたワークショップを企画した。
どうせ個人的に旅で行くのだし、北海道ではワークショップをやったことがなかったので少人数でも開催するつもりだったが、思っていたよりも人数が集まりうれしかった。
札幌会場であるコミュニティスペースオノベカさんのすぐ近くには中島公園があり、開始前に時間があったので少し散歩した。
ワークショップが始まってから、途中ヤマキさんは自身の洋服(というか防寒着)の数に不安を感じたらしく、大都市にいる間にとユニクロへ洋服の買い出しに出かけていた。
ワークショップは参加者の皆さんのおかげで和気あいあいでとても楽しかった。また来ますね。

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終了後、翌日は旭川で開催なので早々に札幌を後にし、札幌と旭川のおおよそ中間くらいにある新十津川の集落にある宿へ向かった。
「Nijinos」というコテージみたいな家を貸し切り宿泊である。
ここは里山暮らしみたいなことをしている人たちの 集まる村らしく、「虹の里」という名前が付いていた。
宿は最近流行りの(?)Airbnbで予約したのだが、書いてある住所が全部英語。 名前も説明も何もかもが英語で漢字がいまいちわからない。
外国人向けの説明だというのはわかるのだが、カーナビにどう入力すればいいのかわからないのでどこかに日本語も加えてほしい。
ヤマキさんのGoogl Mapナビと力を合わせてなんとか到着した。
着いてみたらちょっとしたミニフェスみたいなイベントをやっていたけど、我々はとりあえず腹ごしらえ、ということで歩いて15分くらいの ところにある新十津川キャンプ場の施設の中にあるレストランへ向かった。
すでに真っ暗なので二人でないと行けない距離だった。でもビールが飲みたかったのだ。
車移動は便利だが、アルコールNGなのが難点である。
レストランではジンギスカン定食をいただく。結局その後ジンギスカンは食べる機会はなかったのでここで食べられてよかった。 (車中泊だとごはんが適当になる)

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宿に戻ってからシャワーを浴びて、晩酌タイムに突入する。
昨日HTBで買ってきた戦利品のどうでしょうトランプがこの日一番のヒットネタで、色んな話が飛び出して大爆笑の夜だった。

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寝る前に「星を見よう!」と外に出てみたら期待通り満点の星空だった!
私は今回の旅こそ星を撮ってみたい、と色々事前に設定などを調べていて、自分のへたくそな腕前で撮れるのか半信半疑だったが、試行錯誤の末何とか撮ることができた!!
記念すべき星デビュー写真は電線は入ってるわ、ピンボケだわで本当にヘタなのだが、ちゃんと設定すれば星は撮れるんだということがわかってがぜん星空撮影が楽しくなった。
この旅の途中、2、3回星を見て撮る機会があったけれど、帰ってからも 普通に見に行こうかなとも思った。

まだまだ話は尽きなかったが、明日もあるので早々に就寝。
ちなみに宿はロフトになっていて2組の布団はそのロフト上にあったが、私はトイレが近いのと寝ぼけてハシゴから落ちるんじゃないかということで、1階に布団をおろして寝た。
蚊取り線香を炊いて寝たら寝巻に思い切り匂いが付いた。

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8月20日。Nijinosで迎えた朝は爽やかな空気に包まれていた。
家から持参してきた山用ガスバーナーでお湯を沸かしてコーヒーを入れ、昨日残ったパンを半分こして朝食に食べた。
泊まった宿にはちょっとしたテラスがあり、そこでいただく朝のコーヒーはとてもおいしかった。
まだ出発には早いので、それから朝の散歩に出かけた。何となく歩けるところまでてくてく歩いていたら、猫が歩いていたり牛舎の中から牛がこっちを覗いていたりと、夜のあいだには見えなかった景色がいっぱいで楽しかった。

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そして、泊まった宿のある「虹の村」内も改めて散歩してみると、ヤギや鶏、犬や小さな馬までいた。どうりで威勢がよいコケコッコーが聞こえてきたはずだ。
時間があったら、村の入り口にあるスープカレー屋さんで食べてみたかったけれど、今回は残念。
身支度をして、旭川へ向けて出発した。

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今日は午後、旭川でワークショップだけれど、午前中は時間があるぞ!ということで、弾丸で旭山動物園へ向かった。
昔訪れたとき、動物園の駐車場に入るまでにすごく渋滞していた記憶があって、この日も一応週末だから大丈夫かなと思ったけど、普通に入ることができた!よかった。時間によっては動物園に入らずにそのままワークショップ会場に向かうことになるかもしれなかったのでほっとする。
あまり時間がなくて行列ができていたシロクマ館は見れなかったけれど、それなりにぐるっとまわれて私は満足した。
おじいちゃんから受け継いだ望遠レンズ、Leicaの90mmもここで登場。望遠レンズの威力を知るも、ピント合わせが難しいオールドレンズで動物に挑むのは修業が足りないと知る。

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お昼は、旭山動物園からすぐのところにある特一番さんで旭山ラーメンをいただいた。これまたとてもおいしかった!
ラーメンを堪能した後は、旭川市民文化会館へ向かう。
場所はわかりやすいのですぐ到着したけれど、そもそもこういう公共の施設を利用してワークショップをしたことがないので 手続きなどの手順がよくわからず、鍵をもらって開けたのがスタート時間ぎりぎりになってしまった。
旭川の皆さんも参加してくれてありがとうございました!来年も、北海道でまたワークショップやるかもしれないけど、すみません札幌だけになりそうです(笑)。
余談だが、この旭川の市民文化会館の会議室は道民以外の人も利用できるのだが、 料金の支払い方法が窓口で直接か、現金書留という2択しかない。
現金書留!!
昔おばあちゃんがお小遣いを現金書留で送ってくれたあの封筒の記憶しかない。
振込では受け付けないそうで、しょうがないから郵便局で現金書留の手続きをした。送料に数百円もかかって何だかとても馬鹿馬鹿しい。こういうのをお役所的というのだろう。
でも、公共の施設はやはり使用料金が格安なので文句は言えない。(言ってるけど)

旭川のワークショップが思ったより早く終了し、参加者の方に教えてもらったギャラリーの写真展へ。
この日は旭川ビジネスホテルに宿泊なので、移動がなくゆっくりできた。
時間があるので商店街をうろうろしていて、ドラッグストア目当てで入ったちょっとしょぼいデパート(失礼)に入って上の階に行ってみたら、二人とも好みがどんぴしゃな洋服屋さんがあった!私はワンピとカーディガン1枚ずつ、ヤマキさんはワンピース2枚も買っていた(笑) 二人して予定外の散財だ。
この日の夜はワークショップお疲れさまということで、旭川のこじゃれたバーレストランのようなところで乾杯した。 仕事から解放されたのでがっつり飲んでいいはずが、やはりワークショップは何気に接客で緊張するのでけっこう疲れていたらしく、私にしてはめずらしく2杯くらいで退散。
その後、ヤマキさんが行きたいスーパーがあるということでてくてく徒歩移動。ちょっと買い物をして、夜の旭川のネオンに触れつつホテルへ戻った。 少し歩くと旭川もおもしろそうなお店がいっぱいあった。
ちなみにどうでもいいが、旭川はコインパーキングだらけの街であった。
明日からは完全プライベートな旅で移動になるので、早々に就寝。

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北海道車中泊の旅日記・プロローグ

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プロローグ 旅のきっかけは、天気

天気ばかりは、思い通りにならないものだ。
私は2016年、北海道の礼文島を旅して、心底そう思った。

ずっと憧れていた、花の浮島・礼文島。
この島でトレッキングしてみたくて、思い切って飛行機を予約し、3泊4日なら1日くらい晴れるだろう!と長めに宿を予約した。
移動になんだかんだ時間がかかるため、せわしないのはやめよう、と札幌やら小樽やら、途中の立ち寄りはなし。
羽田-稚内の飛行機、そして稚内からフェリーで礼文島へと、この島一筋で旅の計画を組んだのだ。しかし・・・

prologue
2016年に訪れた礼文島は、濃霧の世界だった

雨は降らなかったものの、4日間すべて、分厚い雲が上空を覆った。
両側に花が咲き乱れるトレッキングコースも、濃霧状態で神秘的と言えば聞こえはいいが、ガイドブックで見た景色とはだいぶ違う。本ではどこまでも広がる高山植物の花畑がとても美しかったが、実際は霧で3m先しか見えない。まるで白昼夢の世界のようだった。
ましてや、礼文島からは隣の利尻島にそびえる利尻山がばっちり見える、とあったのにそれすら全くおがめなかったのだ。私は今回再び稚内からフェリーに乗るまで、利尻山がどんな全貌なのか知らなかった。
台風が来るとか、豪雨にみまわれるとか何もできないよりはマシだったけど、でもあの景色を見たくて旅を計画したようなものだったので、とにかく悔しかった。

天気さえよければ・・・

そう考えていると、「天気がよくなるまで待っていれば、そのうち晴れるのではないか」と当たり前のことを思いついた。いわゆる“天気待ち”だ。
このときは夫と二人旅行だったため、頭とお尻の日程は決まっており、飛行機とフェリーという融通の利かない移動手段を取らざるを得なかったが、私は幸い(?)フリーランスの身である。
そして、北海道へはフェリーという移動手段があることを知っている。
遠い昔、学生に毛が生えたくらいの時に、今回の旅と同じ大洗から苫小牧までフェリーで渡ったことがある。その頃はLCCなんてものはなかったから、とにかく安く旅をする!と節約を優先させると自動的にフェリーという選択肢になった。
船の旅もそれなりに楽しかったが、フェリーで北海道へ渡る人は、ほとんどが車かバイクと一緒に乗船するということをそのとき初めて知った。

そして、現在。我が家はアウトドア好きが高じて、ほぼフルフラットにできるミニバン、フリードに車を買い替えた。この理屈でいくと、車ごとフェリーで北海道へ渡り、車中泊しながら北上していけば車で利尻・礼文へまた行けるではないか。

自分の思いつきにワクワクした。礼文、リベンジ!

北海道車中泊の旅日記・01 車ごとフェリーで、北の大地へ>>>

ペシの恋人展 1/13(土)~1/21(日)開催のお知らせ

このイベントは終了しました。詳しいレポートはこちらをご覧ください。

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こんにちは。ホトリ室長saorinです。
今年8月、車ごとフェリーで渡り、最北の利尻島まで旅した北海道珍道中の3人旅展をホトリで開催します!
写真・イラスト・インスタレーションの展示です。私は主に写真で参加します!
旅好きの方、北海道好きな方、車中泊の旅が気になる方(笑)ぜひぜひ遊びにきてくださいませ。
ホトリ丸ごと北海道はでっかいどう!でお待ちしてます!

(12/28追記)お知らせその1:zine「ROAD TRIP  Breeze is nice」できました!
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(12/28追記)お知らせその2:北海道車中泊の旅日記の全日程をジャーナルで公開しています!
ぜひチェックしてみてくださいね。かなりのボリュームです(笑)
zine、ジャーナル共にこちらをご覧ください。zine「ROAD TRIP Breeze is nice」/北海道車中泊の旅日記、公開>>>

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関東から車ごとフェリーで北海道に渡り、最北の地・利尻島まで旅した14日間。全走行距離2,760kmの旅。
最初2人からスタートし、稚内で合流して3人に。
利尻山に登ったり、ちゃんちゃん焼を作ったり、地面に寝転がって満天の星空を眺めたり、利尻のアイドル、ペシ岬にうっとりしたり。
今でもペシを思ってちょっと切なくなる、3人による旅の記憶をおすそわけ!

saorin/ヤマキミドリ/Yuriko Fukazawa 3人展
ペシの恋人展 1/13(土)~1/21(日)

◆会期:2018年1月13日(土)~1月21日(日)13:00~19:00 ※17日(水)・18日(木)休廊
◆会場:写真企画室ホトリ 〒111-0053 東京都台東区浅草橋5-2-10 詳しいアクセスはこちら
TEL 03-5809-3813(営業日以外はつながりません)
https://fotori.net

会期中開催予定のワークショップはこちら>>>

<3人のプロフィール>
saorin

saorin
写真企画室ホトリ室長。
写真にまつわる楽しいことを色々企画してます。
2017年は山にはまって数えてみたら登った山の数、40座以上。
今回の北海道珍道中旅の言い出しっぺ。
来年も行こうともくろみ中。
instagram:saorin_fotori

midori

ヤマキミドリ
フリーランスのイラストレーター/デザイナー。
森林限界域越えでテンションめっちゃ下がる病。
鉄分多め。チャリ好き。水どうマニア。
今回北海道初上陸でした。
HP:https://dolocy-t.jimdo.com
twitter:@midolocy

yuriko

深澤ユリコ
絵描き
絵画・イラスト・雑貨など制作しています。
端っこと岩とドライブが好きです。
blog http://yrkfvino.exblog.jp/
facebookページ @yrkfvino