北海道車中泊の旅日記・05 利尻山に挑む

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05 利尻山に挑む
8/25(金)利尻山

この日は、何が何でも利尻山に登る!! と起床したものの、どんより曇り空だった。まあ昨日の土砂降りよりはマシか、と身支度して出発する。目指すは、利尻山の山麓にある登山口のキャンプ場である。
駐車場に着くと他にもこれから登るらしきグループが何組もいた。
朝ごはんを食べて登山靴に履き替え、トイレを済ませていざ出発!!と思ったその時、割としっかりした雨が降り出す。ええーーー
まだ朝の5時だし、少し待ってみようか、と屋根のあるところで30分ほど待機してみるも、あまりやむ気配はない。あんまりのんびりしていると下山が遅くなるので、5時半頃に出発した。
スタート時からしばらく霧雨が降り続き、ザックカバーを持ってくればよかったと後悔する。今回、山に登るときの荷物は大したことなさそうだったので、ザックカバーが付いていない最軽量のアタックザックを選んだのが失敗だった。
買ってあったごみ袋でしのいだけれども、次回の教訓としてザックカバーを持参することを学ぶ。
登りはじめ、霧雨の中みんなもくもくと登っていたのだが、私はなんだか体がふらふらしていていつもよりもきつく感じていた。
なぜだろう・・・と思い返してみて気づいた。「私、昨日の夜ごはんで炭水化物をほとんど食べてないんだ・・・」
なんたることだ!
礼文島で食べた昼のほっけ焼き定食が重すぎて、夕食を適当にすませてしまったのが仇となった。
完璧なエネルギー不足、いわゆる“シャリバテ”である。

0825.1

六合目の第一見晴らし台でヤマキさんが脱落し(と書くと悪いイメージだが、彼女はこの登山後チャリで利尻島50km1周を果たしているのである。競技が変わっているところがすごい)、その後ユリコさんと二人で山頂をめざした。
道中、私はバナナやら塩ようかんやらブラックサンダーやら飴玉やら、ザックに入っていたありとあらゆるおやつを貪り食った。
登山は皆さんが想像する以上に激しい全身運動なのだ。お腹が空いた、とかそういう次元の話ではなく、私の体はすごい勢いでエネルギーを欲していた。
人間の体ってすごい。

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そして8合目の避難小屋に到着。
もうこの頃には風がすごいことになっていて、ザックカバー代わりにしていたごみ袋がばたばたはためいてうるさい。 飛んでいきそうになるたびに後ろを登るユリコさんに結び直してもらう。
次回からザックカバーを持ってくることを神に誓う。
カメラは普通に肩からぶら下げていたが、気が付いたら霧でびしょびしょになっていた。途中ちょっとだけ写真を撮ったが、なぜかモニターが映らなかったりシャッターが切れなくなったりとおかしなことになっていて、そもそも登りはほとんどゆっくり撮る余裕がないのだから最初からザックの中に入れてればよかったと後悔した。

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避難小屋は無人で宿泊は禁止らしいが、ロフトのようになっていて、寝袋さえあれば緊急時は普通に眠れそうだった。
霧と小雨がおさまる気配がないし、まだこの時点で8時半だったため、もう少し休憩しよう、と30分くらい待機する。
ヒマなので奈良からの年配の女性グループの引率という札幌からの山岳ガイドさんと少し話をしたり、スマホをいじったり、おやつを食べたりした。

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利尻山は登りはじめの標高が低く、高低差が1,500mくらいとかなり体力を要するのと、基本宿泊できる山小屋がなく完全な日帰りになるため、歩行時間が9時間越えの長丁場となる。
この山に登ると決めたときから、最初は私の体力で大丈夫かな?と思っていた。
色々調べるにつれ、一番戦々恐々としていたのが、この待機していた避難小屋の壁に貼ってある林野庁の張り紙だ。
この8合目の避難小屋までどのくらい時間がかかったか、そしてまだ体力も水も残っているかを問い、また登山口からこの避難小屋までかかった時間と同じだけの時間が、ここから山頂までかかるとのこと。もしここまで4時間以上かかっている人は、下山時間を考えると引き返したほうがいい、と。
色んな人の山行記録を見ていて、とある男の人のブログで、「ここまで3時間半かかった・・・微妙」とあって、男の人でもそれくらいかかるのか?!とびくびくしていた。
とまあそんな感じで、とにかく大丈夫か、と心配していたのだが、結論から言うと全然大したことなく、この8合目避難小屋までは2時間45分くらいで到着していた。余裕だった。
ここ最近、八ヶ岳やらアルプスやらでとにかく鍛えていたのでだいぶ山のレベルが上がっていたらしい。ユリコさんも一緒でよかった。
避難小屋で 30分くらい待機したけど天気は相変わらずなので、もうこのままさくっと行っちゃおうか?という話になり、また登り始めることにした。

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利尻山は〇合目の名前というか、石碑に書いてある名称が、最初の方は「野鳥の森」やら「雷鳥の道しるべ」やらでかわいいのだが、そのうち7合目になると「胸突き八丁」となり、最後の9合目はもはや名前ではなく「ここからが正念場」となる。(ちなみに8合目は「長官山」というちょっとしたピークの名前だった)

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その言葉にもちょっとびびっていたけど、正念場という割には特にそこまで危険な箇所はなく、せいぜいやせ尾根と呼ばれているところがかなり狭い断崖絶壁かな?というくらい。頂上付近もかなり整備されていて階段状になっていたので登りやすかった。
が、いかんせん風がとにかく大変!
頂上に近づくにつれて時折メアリーポピンズ状態になる。
やせ尾根の通過も余裕と書いたが、これは断崖絶壁の方に抜けるように逆に風が吹いていたらかなり怖かったかもしれない。
霧の動きで風が肉眼で見えるという現象を初めて体感する。
思えば私は、多少の雨は降っていても、強風の中登ったことはなかった。雨より風の方が危険である。

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と、そうこうしているうちに山頂の鳥居が見えてきた。ばんざい!山頂到着である。 普通登りのコースタイムは平均約5時間ほどだが、記録していた登山アプリを確認したら、山頂まで4時間23分で登頂できた。
狭い山頂にあとから登山者が続々到着して、みんなで晴れ待ちしていたけれども、鉄のカーテンならぬ、白の雲カーテンに囲まれ、下界どころかすぐ近くにあるらしいローソク岩すらも見えなかった。
ちなみに利尻山は島全体が山だからか、山頂も携帯の電波が余裕で通じた!
一足先に下山したヤマキさんに即メールし、登頂実況中継がてら雲の状況を見てもらうも、なんと下界は快晴らしく爽やかな青空の写真と、山頂だけ雲の帽子をかぶった利尻山の写真が送られてきた。20~30分ほど粘ってみたけど全く雲が晴れる気配はなし。もう寒いしさっさと降りようか、と下山開始することにした。
ちなみに、私たちはせいぜい30分ほどしか山頂にいなかったが、既に山頂の端っこの方でちまっと座っていた男性はかれこれ2時間ほど山頂の雲の晴れ待ちをしていたらしい。お疲れさまです。

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下りも、山頂に近い8~9合目のあたりは登りと一緒でかなりの強風だったが、だんだん下界が近づくにつれて晴れてきた。
ヤマキさんから送られてきた写真の通りだった。
そして、天気がよくなると景色を見る余裕が出てくる。ダケカンバが鬱蒼としたトンネルのようになっていてとても美しく、何枚もシャッターを切ってしまった。
登っているときは全然目に入らなかったが、こんなにも植生が美しいところだったのだ。
もう登ることはないかなと思っていたけど、これはリベンジか、という不完全燃焼の気持ちがよぎった。

DSC012545合目あたりまで降りてきたら登りの時は全く見えなかったペシ岬が!

最後の方はもう太陽が出ていて、レインウェアに身を包んでいた私たちはそれを脱ぎ捨て、きゃっきゃっしゃべりながら下山した。太陽の威力は偉大である。
登山口の駐車場に到着し、また利尻山を仰ぎ見たけれど、やはり山頂は雲にすっぽり覆われていた。
うーん。ツンデレなイケメンめ。

0825.12

宿に戻ってから、チャリで利尻島一周のゴールを果たしたヤマキさんも合流。
私は猛烈にカロリーを欲していたらしく、カップ麺を宿で買い、夕食前に食べた。
その後、私は一人で利尻島内の温泉へ。登山でかいた汗を全て洗い流すことができてさっぱりした。北海道の温泉は癖になりそうである。

この日の夜は、昨日礼文島で調達していたちゃんちゃん焼き、じゃがバター、ニラ玉などで利尻最後の晩餐会を開いた。ちなみにニラ玉は、ちゃんちゃん焼きに乗せるために小ねぎをヤマキさんにお願いしていたのが、なんとまちがえてニラを買っちまったらしいので急きょ追加されたメニューだ。
一人だともっと適当なごはんになっていただろうけど、3人だったから和気あいあいと調理できて、この旅で一番おいしくて楽しかった晩餐会だった。

DSC01326

今日を逃したら利尻の星は見れないよ!!と、ある程度食べ終わってからチューハイ片手に早めにロケハン済だった絶好の星見スポットへ。
宿のすぐ目の前だが、原っぱの中の道で外灯はないし、自転車用の道だから車は来ない。もう最高のロケーションだった。
ヤマキさん持参のどうでしょうシートを敷いて寝転びながら3人で眺めた利尻の満点の星空は最高だった。
写真の出来栄え的には美瑛の方がよく撮れたけど、肉眼で見た星空は利尻がベストだった。
その後、名残惜しくも利尻最後の夜がふけていく。 ああ・・・さびしい。

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