北海道車中泊の旅日記・07 積丹ブルーと、神仙沼グリーン

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07 積丹ブルーと、神仙沼グリーン
8/27(日)積丹半島~ニセコ

0827.1

翌朝27日。「北海道は快晴☀です!」と昨日入った温泉についていたテレビでアナウンサーがにこやかに宣言していた通り、朝日がまぶしくて目が覚めた。
ひょっとしてこの日はご来光が見えたのかもしれないが、さすがに疲れていたので早朝に起きようという気はゼロだった。
今日の最大の目的地である積丹半島は余市から目と鼻の先なので、朝はかなり余裕をもって8時くらいに起床した。
昨日のうちに買っておいたパンと、新十津川でも飲んだ朝コーヒーを楽しんだ。
これは快適!
うちの車、フリードはお尻のドアを開けると、ちょうどそれが屋根代わりになって、しかも荷台にちょっと腰かけることができてよい。
昨日は夜のうちに道の駅に着いたのでどんなところか全然わかっていなかったけれども、どうやら自然歩道みたいなところがあるみたいで、結構素敵なところだった。また余市は宇宙飛行士の毛利さんの出身地らしく、道の駅の売店にはJAXAのTシャツなどのグッズが売られていてかなり宇宙推しだった。三半規管を鍛えられる?斜めになった廊下を歩ける空間のようなスペースもあってなかなかおもしろかった。

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しかしこの道の駅、なんであんなに混んでたんだろう?
結局この後、4晩連続で車中泊したけれど、どこも閑散としていた。

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朝食を終えてから身支度を整えて、いざ、積丹半島に出発!
今回の旅の目標は色々あるけれど、そのうちの大きな一つとして、積丹ブルーを見てみたいというのがあったので、ちょうど快晴でうれしかった。
そう考えると、利尻山の荒天以外は大体天気運は良かった気がする。
トンネルをたくさん通るオロロンロードを通過し、積丹ブルーを堪能するならここ!と名高い島武居岬へ向かう。 日本の岬百選にも選ばれているこの岬、本当に本で見た通りの積丹ブルーを満喫することができた。
そのあと有名な神威岬にも行ってみたけれど、積丹ブルーを楽しみたいならこっちの島武居岬の方がおすすめである。
下の浜まで降りている人もたくさんいたが、この美しい景色は高いところから見ているから撮れるのだろう、と私は降りなかった。

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そして、ここで積丹半島のウニ丼、赤ウニと白ウニの二色ウニ丼を堪能した。
昨日稚内で食べたウニ丼は白ウニだったが、赤ウニもなかなか美味である。
ちなみに島武居岬、私は一応滑り込みで駐車できたけど、あとから見たらほぼ満車だった。

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そして、島武居岬で存分に写真を撮った後は、神威岬へ。
ここはかなりの観光スポットらしく、しかも土日&快晴ということもあり、初めてここで北海道の渋滞を体験する。
一応何とか停められたものの、結構広い駐車場がほぼ満車!しかも駐車スペースが狭い。
人気スポットということを実感する。

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神威岬は、昔は女人禁制の岬だったそうだが、今は老若男女関係なくたくさんの観光客が押し寄せている。(私も例にもれず。)
積丹ブルーを味わうなら島武居岬の方がおすすめだけど、この神威岬は岬の歩道が整備されていて、潮風を感じながら散歩することができる。
岬の姿がなんだか高い山の稜線歩きみたいで、とても素敵なところだった。
かなり風は強かったけど、もっと強い風の時は入れない日もあるらしいので、ラッキーだった。

さて積丹半島で見たかった二大スポットを楽しめたので、まだ早い時間だったが割とこの時点で満足していた。
明日は羊蹄山登山の予定なのでその辺の近くの温泉にさっさと入ってのんびり休もうかなと思っていたが、 本を見たらもう1か所今日のうちに行けるスポットを発見した。
これが神仙沼だった。

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16時くらいと少し日が傾いている時間帯で、しかも神仙沼までの道のりが割と結構な山道でたどり着くまでに時間がかかったが、実際に来てみてよかったと思った。
夕方の西日が枝葉越しにきらきらと輝いていて、沼や木々のグリーンが美しく、神仙沼という名前の通り神々しい場所だった。
点在する沼もよかったが、ぽつりぽつりと生えている樹木たちが樹の精霊のように思えて、何か人知を超えた意思のようなものを感じた場所だった。
今回夕暮れ時だったので、今度は朝のうちにも行ってみたいと思った。

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この日のすべての観光を終え、真狩の道の駅の近くにある真狩温泉へ向かう。
この時点でまだ太陽が出ている17時台である。
けれども昨日の遅い時間帯にばたばたする車中泊にこりたので、早めの行動を心がけた。
この真狩温泉、露天風呂からは明日登る羊蹄山がどどーんとそびえたっているのが見られて、とてもよかった!明日登るからなー!と決意しつつ、ぬるめのお湯なのでいつまでも羊蹄山を眺めていた。
温泉を出た後、今日の車中泊地の真狩道の駅に到着したけれど、予想通り店は全て閉店後。もうお風呂に入った後だし、店を探すのも面倒なので、近くのコンビニにごはんを調達しに行った。
コンビニがあるだけありがたいが、やはり車中泊の時は一人だし面倒だからまあいいか、と食事がおろそかになる。
この日はかなり時間的に余裕があり、20時くらいにはもういつでも寝られる体制で、チューハイを飲みつつごろごろしていたけれど、明日は早いので21時頃就寝。
羊蹄山登山の準備はばっちり、のはず。

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北海道車中泊の旅日記・06 一旦解散

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0823.6

06 一旦解散
8/26(土) 利尻~稚内~小樽~余市

札幌でワークショップを開催してからもう1週間たつのか、と時間の流れを振り返ったこの日の朝。
いよいよ利尻島とお別れの日が来てしまった。
8時半出航と朝一番の便だったが、早起きして最後にペシ岬に登ろう!と、みんなでラストペシ。

0826.1ツンデレ利尻君は、お出迎えとお見送りだけきちんとしてくれたけどあとはずっと雲の帽子をかぶっていたシャイボーイ

利尻を離れるこの日が皮肉にも超絶いい天気で、ペシ岬からのぞむ利尻山もばっちり山頂まで見えていた。お見送りのつもりか。
やっぱり利尻山は心残りなので、来年リベンジを誓う。
ツンデレイケメンの利尻山に比べ、ペシ岬は人なつこい犬みたいでやっぱりかわいいやつだった。
こんな場所が近くにあったら毎朝登るのを日課にしちゃうなあ。
コーヒーとか飲んだり、ちょっと本読んだりぼーっとしたりしたい。

そしてまた私一人、車でフェリーに乗船し、船室に移動してびっくりした。え、何だこの大量の乗船客は!
行きの稚内から利尻の便はがらがらで、二等船室寝転がり放題だったのに、もうほとんど乗客で埋め尽くされていて船内は座る場所がない。
しかたなく甲板の席に移動する。 が、私はちょっと仕事をしなければいけなくて、いざPCを立ち上げようとしたらなんと電池切れとなる。まじか。
どこかに電源あるスペースないかと捜したところ、あった!
本来は車いすを置いておくスペースらしいが、該当者はどうやら誰もいなかったのでこれ幸いと床に座って仕事をする。何とかなってよかった。
そうこうしているうちに2時間はあっという間に過ぎ、稚内に到着した。
稚内に到着したのは10時過ぎだったが、ブランチとして絶対この日ノシャップ岬にある食堂のうに丼を食べる!!!と3人とも鼻息荒く、2度目のノシャップ岬へ向かう。ドキドキしながら行ってみると、お店の前に暖簾がある!
どう考えても早すぎるブランチ入店だったが、みんな朝ごはんも大して食べていなかったので、ここはしっかり注文。
ウニ丼、とろけた~♡

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そして稚内駅まで皆を送る。
ここでユリコさんは東京に帰り、ヤマキさんは稚内から鉄道に乗って29日に函館で私と合流することに。
3人旅、すごく楽しかった。また行きたい。
名残惜しかったけど、とりあえず二人とはこのとき稚内で別れた。

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さて一人になり、どうしようかなと思っていたが、この日かなり晴天だったので昨年ちょっと曇りがちだった宗谷丘陵あたりまでソロでドライブすることにした。
去年も車で通った海沿いの道は、やはり気持ちがよい。風車が絵になる。
そして肝心の宗谷丘陵には着いたものの、私が見たい氷河がもとでできた風景を見るためにはどこから車で登るのか、スマホでのにわか検索ではいまいちわからずじまいだった。
この日は一気に行けるところまで南下してしまいたく、そんなにのんびりはしていられなかったので、もういいや、と宗谷を後にする。
アクセス情報、何となくしか載ってないんだよなー、稚内市のサイトまで見たのにな。ちょっとリサーチ不足ではあったけど、稚内市は街をあげてアピールするポイントがなんか間違ってないか?と思った。
住所が宗谷丘陵内なんて、広すぎるんだよ!これも、利尻に続くリベンジか。

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そして、宗谷を後にして楽しみにしていたのは、日本海沿いのオロロンライン海道ドライブだ。
行きに稚内まで北上した時に少し運転していたものの、天気が微妙でそんなに爽快さはなかったので、この南下の道のドライブはめちゃめちゃ楽しかった。楽しすぎて、気持ちよくて結局一気に小樽まで400km南下してしまった。
疲れたら途中の道の駅で泊まろうと思っていたのに、ノンストップで走り抜けてしまった(笑)

小樽は昔訪れたことがあるが、あの有名な運河の景色を昼間しか見ていないので、今回夜景で撮ってみたいな、と思ったのも一気に南下した理由の一つだった。
小樽が近づいてきて、途中コンビニに寄ったらドン!ドン!と轟音がして何事?!かと思いきや、どうやら近くで花火大会が始まったらしい。
運転していたら花火が見えてラッキーだったが、いきなり渋滞している。
あとから、札幌でワークショップに参加してくれた人も見に来ていたとその日のSNSで知った。どうやらニアミスだったらしい。
そういえば旅に出る前に、これだけ長期間だからどこか1日くらい花火大会かぶってないかな?と調べたけどいまいちわからなかったんだよな。
こういう情報は地元の人に聞くのが一番だと思った。来年は絶対調べてから行く。

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どうにかこうにか小樽に到着した。
が、小樽って駐車場がない。普通のコインパーキングみたいなのってないのか?
少し離れたところにはあるらしいけど、距離的に微妙で、何より、小樽に着いたとたんかなりの大雨が降ってきた!
しょうがないので運河の近くでやっていたフードフェスみたいな会場の近くに一瞬だけ路駐し(ごめんなさい)、運河だけさくっと撮って速攻帰ってきた。
ちなみに調べたところ小樽の近辺には道の駅は皆無。
その時点で既に20時くらいで、今から宿探すのもな、と思い結局小樽から1時間くらいのところにある余市までがんばって移動することにした。
稚内でみんなと解散してから約9時間。
さすがに結構疲れて目もしょぼしょぼしていたけどがんばった・・・。
今日の目的地、余市の道の駅あっぷるというところに行く前に、風呂に入ろうと温泉をリサーチする。北海道の温泉って、本当にこの先にあるんですかい??と不安になるようなところにぽこっとある。
日中なら平気なのだが、さすがに夜だったのでドキドキしながら運転した。
もう夜ごはんを食べに別の場所に悠長に移動する時間も気力もなかったので、その温泉の中にある食堂みたいなところでまたラーメン、夏季限定辛みそ味を食べた。

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温泉を後にしてからやっと余市の道の駅に到着したら、トイレの前にある第1駐車場は満車!!
え、え、えええええー!どどどどうしよう!
と、よくよく見たら左手奥の団地の裏あたりが第2駐車場になっていて、そこはまあまあ空いていた。
それでも半分くらい埋まっていて、ほとんどが私と同じ車中泊目的で、キャンピングカーもたくさん駐車していた。
そもそも夜の10時半という遅い時間に到着した自分が悪いのだが、この旅最初の車中泊で、車内をフルフラットにするやり方を忘れかけていて、半泣きになりながら椅子をがたがた動かしていた。最後には車の分厚いマニュアルも取り出して確認した。
そして椅子の跳ね上げ方を唐突に思い出す。あーよかった。
フルフラットにした途端、突然生まれるこの快適空間。フリードありがとう。君はすごい車だよ。
自分はトイレが近いのでトイレから遠い駐車場はなー、でもしょうがないよなー、と思ったけど、結局途中1回しか起きなかった。
ちなみにその後の車中泊は1回も起きずに朝を迎えたときもあった。
夜中に目が覚めて何度もトイレに行くのはアビ(飼っている愛犬)のせいだと確信する。
仕込んでいたチューハイで晩酌しながらゲームしようかな、なんて思っていたけど、この日は結局落ち着いたのが12時近くで、疲れていたしちょっと飲んだところでこてっと寝た。
途中、1回夜中に起きたけど結構星がきれいだったような・・・
でも前の日の利尻で存分に星を堪能していたから、まあいいか、と即車に入る。
おひとり様車中泊デビュー、無事?果たす。

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北海道車中泊の旅日記・05 利尻山に挑む

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05 利尻山に挑む
8/25(金)利尻山

この日は、何が何でも利尻山に登る!! と起床したものの、どんより曇り空だった。まあ昨日の土砂降りよりはマシか、と身支度して出発する。目指すは、利尻山の山麓にある登山口のキャンプ場である。
駐車場に着くと他にもこれから登るらしきグループが何組もいた。
朝ごはんを食べて登山靴に履き替え、トイレを済ませていざ出発!!と思ったその時、割としっかりした雨が降り出す。ええーーー
まだ朝の5時だし、少し待ってみようか、と屋根のあるところで30分ほど待機してみるも、あまりやむ気配はない。あんまりのんびりしていると下山が遅くなるので、5時半頃に出発した。
スタート時からしばらく霧雨が降り続き、ザックカバーを持ってくればよかったと後悔する。今回、山に登るときの荷物は大したことなさそうだったので、ザックカバーが付いていない最軽量のアタックザックを選んだのが失敗だった。
買ってあったごみ袋でしのいだけれども、次回の教訓としてザックカバーを持参することを学ぶ。
登りはじめ、霧雨の中みんなもくもくと登っていたのだが、私はなんだか体がふらふらしていていつもよりもきつく感じていた。
なぜだろう・・・と思い返してみて気づいた。「私、昨日の夜ごはんで炭水化物をほとんど食べてないんだ・・・」
なんたることだ!
礼文島で食べた昼のほっけ焼き定食が重すぎて、夕食を適当にすませてしまったのが仇となった。
完璧なエネルギー不足、いわゆる“シャリバテ”である。

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六合目の第一見晴らし台でヤマキさんが脱落し(と書くと悪いイメージだが、彼女はこの登山後チャリで利尻島50km1周を果たしているのである。競技が変わっているところがすごい)、その後ユリコさんと二人で山頂をめざした。
道中、私はバナナやら塩ようかんやらブラックサンダーやら飴玉やら、ザックに入っていたありとあらゆるおやつを貪り食った。
登山は皆さんが想像する以上に激しい全身運動なのだ。お腹が空いた、とかそういう次元の話ではなく、私の体はすごい勢いでエネルギーを欲していた。
人間の体ってすごい。

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そして8合目の避難小屋に到着。
もうこの頃には風がすごいことになっていて、ザックカバー代わりにしていたごみ袋がばたばたはためいてうるさい。 飛んでいきそうになるたびに後ろを登るユリコさんに結び直してもらう。
次回からザックカバーを持ってくることを神に誓う。
カメラは普通に肩からぶら下げていたが、気が付いたら霧でびしょびしょになっていた。途中ちょっとだけ写真を撮ったが、なぜかモニターが映らなかったりシャッターが切れなくなったりとおかしなことになっていて、そもそも登りはほとんどゆっくり撮る余裕がないのだから最初からザックの中に入れてればよかったと後悔した。

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避難小屋は無人で宿泊は禁止らしいが、ロフトのようになっていて、寝袋さえあれば緊急時は普通に眠れそうだった。
霧と小雨がおさまる気配がないし、まだこの時点で8時半だったため、もう少し休憩しよう、と30分くらい待機する。
ヒマなので奈良からの年配の女性グループの引率という札幌からの山岳ガイドさんと少し話をしたり、スマホをいじったり、おやつを食べたりした。

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利尻山は登りはじめの標高が低く、高低差が1,500mくらいとかなり体力を要するのと、基本宿泊できる山小屋がなく完全な日帰りになるため、歩行時間が9時間越えの長丁場となる。
この山に登ると決めたときから、最初は私の体力で大丈夫かな?と思っていた。
色々調べるにつれ、一番戦々恐々としていたのが、この待機していた避難小屋の壁に貼ってある林野庁の張り紙だ。
この8合目の避難小屋までどのくらい時間がかかったか、そしてまだ体力も水も残っているかを問い、また登山口からこの避難小屋までかかった時間と同じだけの時間が、ここから山頂までかかるとのこと。もしここまで4時間以上かかっている人は、下山時間を考えると引き返したほうがいい、と。
色んな人の山行記録を見ていて、とある男の人のブログで、「ここまで3時間半かかった・・・微妙」とあって、男の人でもそれくらいかかるのか?!とびくびくしていた。
とまあそんな感じで、とにかく大丈夫か、と心配していたのだが、結論から言うと全然大したことなく、この8合目避難小屋までは2時間45分くらいで到着していた。余裕だった。
ここ最近、八ヶ岳やらアルプスやらでとにかく鍛えていたのでだいぶ山のレベルが上がっていたらしい。ユリコさんも一緒でよかった。
避難小屋で 30分くらい待機したけど天気は相変わらずなので、もうこのままさくっと行っちゃおうか?という話になり、また登り始めることにした。

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利尻山は〇合目の名前というか、石碑に書いてある名称が、最初の方は「野鳥の森」やら「雷鳥の道しるべ」やらでかわいいのだが、そのうち7合目になると「胸突き八丁」となり、最後の9合目はもはや名前ではなく「ここからが正念場」となる。(ちなみに8合目は「長官山」というちょっとしたピークの名前だった)

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その言葉にもちょっとびびっていたけど、正念場という割には特にそこまで危険な箇所はなく、せいぜいやせ尾根と呼ばれているところがかなり狭い断崖絶壁かな?というくらい。頂上付近もかなり整備されていて階段状になっていたので登りやすかった。
が、いかんせん風がとにかく大変!
頂上に近づくにつれて時折メアリーポピンズ状態になる。
やせ尾根の通過も余裕と書いたが、これは断崖絶壁の方に抜けるように逆に風が吹いていたらかなり怖かったかもしれない。
霧の動きで風が肉眼で見えるという現象を初めて体感する。
思えば私は、多少の雨は降っていても、強風の中登ったことはなかった。雨より風の方が危険である。

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と、そうこうしているうちに山頂の鳥居が見えてきた。ばんざい!山頂到着である。 普通登りのコースタイムは平均約5時間ほどだが、記録していた登山アプリを確認したら、山頂まで4時間23分で登頂できた。
狭い山頂にあとから登山者が続々到着して、みんなで晴れ待ちしていたけれども、鉄のカーテンならぬ、白の雲カーテンに囲まれ、下界どころかすぐ近くにあるらしいローソク岩すらも見えなかった。
ちなみに利尻山は島全体が山だからか、山頂も携帯の電波が余裕で通じた!
一足先に下山したヤマキさんに即メールし、登頂実況中継がてら雲の状況を見てもらうも、なんと下界は快晴らしく爽やかな青空の写真と、山頂だけ雲の帽子をかぶった利尻山の写真が送られてきた。20~30分ほど粘ってみたけど全く雲が晴れる気配はなし。もう寒いしさっさと降りようか、と下山開始することにした。
ちなみに、私たちはせいぜい30分ほどしか山頂にいなかったが、既に山頂の端っこの方でちまっと座っていた男性はかれこれ2時間ほど山頂の雲の晴れ待ちをしていたらしい。お疲れさまです。

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下りも、山頂に近い8~9合目のあたりは登りと一緒でかなりの強風だったが、だんだん下界が近づくにつれて晴れてきた。
ヤマキさんから送られてきた写真の通りだった。
そして、天気がよくなると景色を見る余裕が出てくる。ダケカンバが鬱蒼としたトンネルのようになっていてとても美しく、何枚もシャッターを切ってしまった。
登っているときは全然目に入らなかったが、こんなにも植生が美しいところだったのだ。
もう登ることはないかなと思っていたけど、これはリベンジか、という不完全燃焼の気持ちがよぎった。

DSC012545合目あたりまで降りてきたら登りの時は全く見えなかったペシ岬が!

最後の方はもう太陽が出ていて、レインウェアに身を包んでいた私たちはそれを脱ぎ捨て、きゃっきゃっしゃべりながら下山した。太陽の威力は偉大である。
登山口の駐車場に到着し、また利尻山を仰ぎ見たけれど、やはり山頂は雲にすっぽり覆われていた。
うーん。ツンデレなイケメンめ。

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宿に戻ってから、チャリで利尻島一周のゴールを果たしたヤマキさんも合流。
私は猛烈にカロリーを欲していたらしく、カップ麺を宿で買い、夕食前に食べた。
その後、私は一人で利尻島内の温泉へ。登山でかいた汗を全て洗い流すことができてさっぱりした。北海道の温泉は癖になりそうである。

この日の夜は、昨日礼文島で調達していたちゃんちゃん焼き、じゃがバター、ニラ玉などで利尻最後の晩餐会を開いた。ちなみにニラ玉は、ちゃんちゃん焼きに乗せるために小ねぎをヤマキさんにお願いしていたのが、なんとまちがえてニラを買っちまったらしいので急きょ追加されたメニューだ。
一人だともっと適当なごはんになっていただろうけど、3人だったから和気あいあいと調理できて、この旅で一番おいしくて楽しかった晩餐会だった。

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今日を逃したら利尻の星は見れないよ!!と、ある程度食べ終わってからチューハイ片手に早めにロケハン済だった絶好の星見スポットへ。
宿のすぐ目の前だが、原っぱの中の道で外灯はないし、自転車用の道だから車は来ない。もう最高のロケーションだった。
ヤマキさん持参のどうでしょうシートを敷いて寝転びながら3人で眺めた利尻の満点の星空は最高だった。
写真の出来栄え的には美瑛の方がよく撮れたけど、肉眼で見た星空は利尻がベストだった。
その後、名残惜しくも利尻最後の夜がふけていく。 ああ・・・さびしい。

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北海道車中泊の旅日記・04 利尻で、ペシの歓迎を受ける

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04 利尻で、ペシの歓迎を受ける
8/23(水)~24(木)利尻島・礼文島

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利尻島に到着!! いや、いい天気である。
着いたのがちょうど昼時だったので、フェリーターミナルの目の前にある「さとう食堂」で昼ごはんにした。
最初はりきって利尻・礼文で有名なウニ丼を食べようかと思っていたが、ここはウニが大事な観光資源とあってお値段5000円。高い。
さすがに昼ごはんに5,000円は奮発しすぎだ。
ウニは利尻・礼文で食べるより、稚内で食べる方がお値段的にお得という話になり、ウニ丼はお預けとなった。
というわけで結局頼んだのはまたラーメン。私はせっかくなのでちょっとだけ贅沢なラーメンをいただいた。
ほかの二人は利尻らしく昆布ラーメンを食べていた。

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ラーメンを食べ終わるともう14時近かったので、さてどうするかという話になる。
というのも3人とも、利尻島に何があるのかほとんどチェックしていなかった。
私が調べていたのは利尻島最大の目的、利尻山くらいだった。
あとは何があるんだ、利尻島・・・・
と思いつつふと窓の外を見ると、なんだかかわいらしい丘みたいなのが港の近くに見える。あれは何だ!と、行ってみることにした。
利尻島のフェリーターミナルでもらったパンフレットを見たら、名前は「ペシ岬」というらしい。なんとかわいい名前!
高さ100m足らずくらいだが、見晴らしがよくてとてもよい場所だった。

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3人ともこのペシ岬を大いに気に入り、山に登っている人たちはペシが見えたら騒ぎ、チャリに乗っている人は橋からペシが見えたら写真を撮り、最終日の朝にはラストペシ、と称してみんなで登ったのであった。
ペシ、かわいい。。。(ちなみに利尻山のポジションはイケメン。)

ペシ岬を堪能した後は、まだチェックインまで時間があったので車でぐるっと利尻島を回って観光することにした。
国立公園の「オタトマリ沼」は、最初そんなに歩くつもりはなかったのに、歩き始めたら意外に長くてしかももう後戻りできなくなった。
一周した後、ソフトクリームをみんなで食べた。
利尻昆布やがごめ納豆など、最初のお土産もここで調達した。
もう少し青空で利尻山の雲がなかったら、沼に利尻山が映っているシーンが見られたらしい。
沼を堪能した後は、アザラシがいるという「仙法志御崎公園(せんぽうしみさきこうえん)」へ。

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私は礼文島の時のように、遠浅に自然のアザラシがいるのを想像していたんだけど、ここでは天然の岩のいけすのようなところでアザラシが飼われていた。
私たちが近づくとすすーっと寄ってきてかわいかったけど、餌をくれないとわかるとさーっと泳いでいってしまった。奈良の鹿のようでわかりやすい。

IMG_1467礼文島をドライブしていたら発見した、遠浅でくつろぐ自然のアザラシたち

大体ぐるっと島をまわったら、頃合いの時間になってきたので今回3泊するゲストハウス「利尻ぐりーんひる」へ向かった。
予約時は大部屋の料金だったが、チェックインしてみたらたまたまその女性限定の部屋が3人部屋で、3人グループだった我々は予期せず普通の個室となった。快適である。
3泊は結構長いのでラッキーだった。

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寝床は壁で仕切られていたので、適当に決める。

セイコーマートで食料を調達してきて、ダイニングでみんなで食事した。
この宿は家庭科室のような大きなキッチンがあって、電子レンジはもちろん、ガスコンロやお皿なども自由に使っていいので、簡単な料理ができてよかった。
私はこの日は、翌日の利尻山登山に備えてがっつりお好み焼き♪と思いきや、実は中身が全部キャベツのお好み焼きだったため、超ヘルシーな夕食となった・・・
明日大丈夫だろうか。
天気予報がとても微妙だが、とりあえず登山に向けて準備し、就寝。
早朝起きたときの天気で決めよう、という話になった。
昼間は晴れていたのに、もうこの時には雲が出ていて星は見えなかった。

翌朝24日。朝の3時半に起きた時点での天気予報で決めよう、と話していたが、3時半に起きたら窓の外を見なくてもわかるくらいの豪快な土砂降りだった。
その後30分くらい寝ながら待っていたけど、雨はやむ気配なし!
さすがにこの土砂降りの中登るのはきついわ、というわけで「今日は中止!!皆の衆、寝るぞー!」という掛け声のあと、みんななんだかんだで8時まで爆睡。
8時に起きてもまだ雨が降っていたので、登山前に食べる予定だったそれぞれの朝食を、宿でコーヒーと一緒に取ることにした。 コーヒーで一息つきながら、「さて、この日どうするか・・・。」
利尻島は島の1周50kmくらいの小さな島なので、大体のところは昨日車でまわってしまっている。
そんな中、「やっぱり礼文に行ってみようか?」というユリコさんの鶴の一声で急きょ礼文島に行くことに決定した。
礼文島行きのフェリーは昼発の便しかなく、さらに今日中に利尻に帰ってくるには17時の便に乗らなければいけない。
実質、礼文島で活動できるのは2時間程度。
となると車を借りるのももったいないし、チャリで回るには時間が足りない、というわけで港から比較的近い桃岩展望台のトレッキングコースを短時間で楽しむことにする。

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礼文島に到着したのは遅めの昼。
礼文島で去年食べた「炉ばたちどり」のちゃんちゃん焼きが忘れられなくて、お店にいそいそ行ったらなんと入口の引き戸に「臨時休業」の文字が・・・・
ガーン・・・・・・・(札が下がっているのが見えて思わず駆け寄ってしまった) しょうがないからラーメンでも食べるかと、近くの食堂「さざなみ」に入ったのもつかの間、出てきたおじちゃんから「ラーメンの麺がない」と言われる始末。
二度めのガーン。
私はちゃんちゃん焼きに後ろ髪ひかれていたので、ほっけ焼き定食を注文した。
ほっけ丸ごとボリューム満点でおいしかった!(が、これが後々ちょっとした尾を引くことに)

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トレッキングはと言えば、天気も回復してきて、目標通り桃岩展望台にもたどり着いて(時間がなかったので、難しそうだったら途中で引き返す予定だった)よかった。 何より、私は去年この同じ道を前後左右霧でほとんど見えない中歩いていたので、正直同じ道を歩いているとは思えなかった。
急いで港に戻り、お土産でちゃんちゃん焼きセットを売店で買い込んで利尻へ帰る。約40分で隣の島へ着く。フェリー代金も800円くらいで、これは少し長距離のバスみたいな感覚だ。
利尻に着いてから宿に戻り、またセイコーマート(略してセコマもしくはセイコマ)で晩ごはん用の食料を調達した。
私は礼文での昼ごはん、ほっけ焼き定食がかなり胃にもたれていたので、みんなでゆでたトウモロコシとか枝豆とか、そんなもんだけを食べていた。
まだ翌日の天気予報は微妙だったけど、今朝よりはマシかもしれない、ということで明日は利尻山に登れるラストチャンス!と決意し、就寝。

0824.3

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北海道車中泊の旅日記・03 一気に北上し、パーティーは3人に

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03 一気に北上し、パーティーは3人に
8/22(火)美瑛~稚内~利尻

22日、翌朝起きたら超がつくほどの土砂降りで1日が始まった。昨日の晴天はどこへやら、である。
同じ日に泊まっていた家族連れが、朝のうちに青い池に出かけると言ってたが・・・お気の毒。

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今回の宿で唯一、夕食と朝食の両方が付いていた給食室、朝ごはんもまた豪勢だった。 おばちゃんが近所の牧場に直接買いに行く朝の搾りたて牛乳もいただいた。市販のものと全然違って、甘くてコクがある。
あと、北海道はお米がとてもおいしい!2杯目もお代わりしてしまった。

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そういや昨日、スーパーで仕入れていた見たことない飲み物(おばちゃんも見たことないと言っていた)を朝食時に出してもらって皆で飲んでみたら、意外にもおいしかった。お子さまたちにも好評でよかった。
タングロン、やるな。
正直、パッケージの見かけは全然おいしそうじゃないのに。
この日は稚内まで一気に移動するだけの日で、特に観光の予定はなかったのでのんびり準備し、朝9時頃チェックアウトした。
とても居心地よい宿だったと思う。
ゲストハウスと比べると一見割高に思えるが、2食付きと考えるとリーズナブルだ。
美瑛に来た時にはまた泊まりたい。

そして、結構な雨降りの中、一気に北上する。
天気も悪いし、特に寄りたいところもなく、また旭川近辺を経由してどんどん北へ向かう。 途中、国道を走っていると色んな町や村のカントリーサインがいっぱいで、水曜どうでしょうをほうふつとさせた。
印象的だったのは牛がざるで潮干狩りしているカントリーサイン。どこの町だったか・・・(※あとで調べてみたら、天塩町と判明した)

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この日はお昼ごはんを食べるお店がいまいち見つからず、途中の道の駅で食べたまんじゅうとトウモロコシでお腹いっぱいになったので、お昼は抜きにした。
さらに移動中、小鳥をあやまって轢いてしまうという悲しくショックなことがあり、二人ともテンションだだ下がりだった。
走行距離がラッキーセブン(777km)を突破したのはこの頃である。
ただ、どこも寄らずに稚内へ行ってしまうのもね、ということで、展望台に行ったものの、まだしょんぼり気味な私たち。
会話も少なく、展望台の名前すら覚えていない。
その後、サロベツ原野の中を走れるみたいだよ、ということで行ってみたら、さっきまで雨を降らせていた雲が切れて、少しずつ晴れてきた!
しかも雨上がりの後の太陽って、虹が出そう、と話していた矢先、本当に「虹だー!!!」急いで車を停めてシャッターを切る。
低くて平たい不思議な形の虹だった。
消えかかっていたのでiPhoneで、しかもわずかしか写らなかったけど、後にも先にも、旅で虹が見られたのはこの1回きりだったのでよかった。
重たい雲が少しずつ晴れてきて日が差してきたあの光景を見ていたら、勝手な言い分かもしれないけど小鳥の命を奪ってしまったことから何となく救われた気がした。
鳥さんごめんなさい。(その後、私たちは旅の終わりまで鶏肉を食べない、という誓いを立てる)

0822.5

この後、砂丘の駅とやらに寄ってみたけど特に砂丘を楽しめるという感じではなく、トイレ休憩だけして稚内へ向かう。
もうこの辺はオロロンラインという日本海側の海沿いの道で、晴れていたら気持ちよかったんだろうなあと思いながら運転する。(その後、帰りの稚内から南下する時一人で運転したけど気持ちよかった)

0822.6

稚内に近づいてきたあたりで、前の車のスピードがいやに落ちて、のろのろ運転になっていたのでなんだろう?と思ってよくよく見たら、道の脇で鹿がのんきに草を食べていた。 前の車はそれを撮っていたらしい。
私たちも急いで降りたら、鹿たちはどうやらファミリーらしく、家族総出で草をはむのに忙しい様子。なんて自由な・・・
お母さんらしき鹿は私たちの方をじっと見ていたけど、お父さんや子どもたちは意に介さずお食事に夢中だった。
それにしても、北海道の国道では鹿や狸の絵で動物飛び出し注意と書いてあるけど、この子たちは轢かなくて本当によかった。
小鳥には申し訳ないけど、鳥くらいならそこまで車にダメージはないが、鹿なんて轢いた日には、下手したら廃車→旅の強制終了である。
そういえば一人行動していた時、キツネが轢かれてたり猫が転がってたりカモメが道で死んでたりと、結構色んなものの上を通過した。
車社会の北海道では、日常茶飯事なのかもしれない。

この日の宿は、稚内の「北の宿」に決定。
もともと予定が決まっていなかったが、結局当初の予定通り23日に利尻島入りすることにしたので、稚内は普通の民宿を取る。
すぐ隣が温泉施設だったので、割引チケットをもらってまた温泉に入った。完全に温泉づいている。
夜ごはんは、最初ノシャップ岬の海鮮丼を食べよう!と、夕日を見てから行ってみたら、最初通ったときは暖簾が出ていたのに着いたときにはなんと既にタッチの差で閉店していた。ガーン。
しょうがないので、稚内の繁華街で食べよう、とうろうろするも、どうやら団体客ばかりでどこも満席。はっきり言って、稚内の繁華街はこんなにさびれているのに何なんだ、このバイアスかかった混みっぷりは。

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海鮮気分を引きずっていたがどこもキャパオーバーの満席状態で、結局稚内でもラーメンを食べた。素朴な塩味が空腹にしみた。
翌朝のフェリーは10:50発でゆっくり出発なので、少し遅くまでワイン飲みながらテレビを見ていた。

0823.1

翌朝23日、北の宿についていた朝食をいただく。お味噌汁にホタテが入っている!なんという贅沢。
美瑛の時も思ったが、お米がとにかくおいしい。
宿のおじちゃんはパンチパーマでちょっと見た目がこわもてだが、実は奥さんの方が立場が強そうで、想像するとちょっと愉快だった。
チェックアウトはしたものの、フェリーの出発までまだ時間があるので車だけ置かせてもらってその辺を散歩した。
宿の裏にちょっとした山があって、どうやら歩けるハイキングコースがあった。しかもそこは鹿ファミリーの通り道でもあるらしく、鹿の糞がその辺にたくさん転がっていた。
廃墟になっている喫茶店などのお店もあって、写真撮影的におもしろいエリアだったのでもう少しうろうろしたかったけど、時間が迫ってきたので稚内のフェリー乗り場へ向かう。
ここで、ユリコさんと合流!
ユリコさんはヤマキさんのお友だちのイラストレーターで、旅の話をしていたらほぼ同じ時期に北海道の礼文・利尻に行こうと計画していることが判明し、これは合流して一緒に行っちゃおうよ!ということになった人である。
こんな最北の地で合流するなんて、いや、合流できるなんておもしろい。
携帯がない時代はとうてい無理だっただろう。

ところで乗船手続きをしようとしたら、なんと前日予約した我が愛車の車長が、本来5m以下で登録しなければいけないところを間違って6m以下で予約していたらしく、登録修正しないと乗船できないとのこと。
ええー!! 大は小を兼ねるとかないのか!と思ったが、急いで車に戻って借りていたポケットWiFiを立ち上げ、何とか車長の登録を変更した。
これまでせっかく借りていたポケットWiFiだったが、行く先々の宿で全てWiFiが完備されていて借りた意味なかったか、とさえ思ったが、この時ばかりはポケットWiFiがあって助かった。
まあ港のWiFiがもしかしたらあったかもしれないが、動転していたので探す余裕もなかった。

また、フェリーの車乗船時はドライバー一人だけなので、私だけ車で乗船し、二人は一般乗船から乗ってもらう。
稚内から利尻までは約2時間で、去年行った礼文島とかかる時間は大体同じくらいである。
出航と到着時、変なテーマソングが流れるのは変わっていない。
この行きのフェリーでは、私はなぜか急激に眠くなり、転がって昼寝した。

0823.2

後は適当に時間をつぶしていたが、だんだん到着時間が近づいてきて外に出てみたら利尻山がばばーん!と目の前にいた。
そう、昨日サロベツ原野を走っていた時も、ついに利尻山がベールを脱いでくれて興奮したのだった。
最初にも書いたが、去年の礼文島の時は3泊もしたのに一度も利尻山をおがむことができなかったのだ。いざ眺めてみるとこんなに近いのに、どれだけ雲が厚かったのだろうか。
利尻島は山が島、島が山。利尻島=利尻山、なのだ。
利尻富士、と称されるだけあって確かにきれいな形をしていた。


0823.3フェリー内の車置き場はこんな感じのパズル状態である

北海道車中泊の旅日記・04 利尻で、ペシの歓迎を受ける>>>

北海道車中泊の旅日記・02 絶景、また絶景

<<<北海道車中泊の旅日記・01 車ごとフェリーで、北の大地へ

0821.1

02 絶景、また絶景
8/21(月)美瑛

この日も朝から快晴だった。
仕事から解放されたというすがすがしい気持ちを胸に、ビジネスホテルについていた朝ごはんをいただく。ホテルは安さ重視だったので食事は全然期待してなかったが、好きな納豆がついていてうれしかった。
そして朝食後、すぐに行動を開始した。

この日の夜に泊まる予定の宿は、旭川から少し下に戻る美瑛にあるため、観光はその周辺となる。
旭川から美瑛を目指しつつ、最初の目的地は行ってみたかった幌加内町の白銀の丘だ。ちょっと距離的に無駄な往復になるけれども、そばの白い花が一面に咲くところで、ぜひ行ってみたかった場所の一つだった。
この日はいい天気すぎて、とてもすばらしい景色だった。菜の花やひまわり、コスモスなど、カラフルで華やかな花畑は見たことがあるが、つつましやかな白い花畑は初めてで、しかもあまり人に知られていないのか、観光客らしき人はほとんどいなかった。

0821.2

そばの花というのもを初めて見たが、この可憐な花が咲いた後に実がなって、それをすりつぶすか何かするとそば粉ができて、私たちが食べるそばになるのかと思うととても不思議だった。

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次に向かったのは美瑛の有名な青い池だ。
私は母親が北海道の釧路出身のため、北海道自体は昔から何度も来たことがあるのだが、ここは割と最近有名になった観光地のため行ったことがなく、初であった。
ワークショップに参加してくれた人から「すごい人ですよ」と聞いていて覚悟したものの、何とか駐車場には入れたし、思ったほどの混雑ではなくて写真もバシバシ撮れた。
もっと小さくてしょぼい池を想像していたけれど、思ったよりも大きい、そしてやはり美しい。日によって池の色が刻々と変わるらしいが、特に晴れた青空の日が、水のブルーが際立っていいらしい。
ちなみに池の近くを流れる川の水も青かった。なぜ青いのか理由を調べてみたところ、 白金温泉街にある「白ひげの滝」などから、アルミニウムを含んだ水が流れ出ており、この滝が美瑛川の水と混ざると目に見えないコロイド状という粒子が生成され、それが太陽の光をまんべんなく散乱させているとのこと。
これをもう一度そらで説明しろと言われてもおそらく無理そうである。
ちなみに、この青い池に行く途中にある道の駅みたいなところで、お昼に美瑛カレーをいただいた。
自撮りする人々で大混雑の青い池を後にし、この日もう1か所行きたかった十勝岳の望岳台へ。
たまたまだが、その日調べてみたら青い池のすぐ近くでラッキーだった。

0821.4

ここは車で標高1000mの登山口まで行けるところで、車から降りたらいきなりすごい絶景が広がっていた!
普通、登山口はたいてい森の入り口で、樹林帯に覆われていることが多いが、この大雪山系の十勝岳はいきなり高い樹が生えない標高の森林限界から始まるルートである。
目の前には噴煙が立ち上る十勝岳(十勝岳は活火山である)のほかにもぐるっと山々がそびえたっていて圧巻の眺めだった。さすが北海道、スケールが違う。
この日はすごく天気がよかったので、登りたい気持ちをぐっと抑えた。
登山者の恰好をしている人たちも多く、ちょうど時間的に下山してきた人たちもちらほらいた。来年行くときは絶対登りたい。
十勝岳のビジターセンターも最近できたばかりの建物らしくて、とても新しくてきれいだった。変な話、山行の時はここで車中泊して朝イチで登り始めるのもよいかなと思った。

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ビジターセンターでは美瑛フロートをいただく。
正直、普段甘い物にはあまり興味がないのでフロートを注文することはほぼ皆無なのだが、ちょうどのどが渇いていて、でもソフトクリームも食べたくて・・・というときにちょうどいい、ソーダフロート。

0821.6

さて名残惜しいが、そろそろチェックインの時間が近づいてきたのでこの日予約してある美瑛の宿、給食室へ向かった。
ここは以前給食を作っていた経歴のおばちゃん(と自分で名乗るので、私たちも自然とおばちゃんと呼んでいた)がやっている宿で、美瑛の有名なスポットからほど近く、誰かの家に泊まりに来たみたいな気楽さがよかった。
朝・夕どちらもごはんがついており、どちらもかなりのボリュームでごちそうだった。
夕食の前に、おばちゃんが温泉の割引券あるから入ってきなーと渡されてよくよく見たら、さっき通ってきた白金温泉エリア(白ひげの滝とか青い池のあたり)で、元来た道を戻る形になったが、温泉はとても気持ちよかった!(※注:この後、旅では6~7回温泉に入ることになる。北海道はあちらこちらに温泉があって大体入浴料が500~600円くらいなので、温泉に入ってから車中泊、という黄金の行動パターンができる)

0821.7

お風呂でさっぱりした後、また30分かけておばちゃんの給食室へ戻ってみると、チェックイン時には全然いなかった車がもう2台も停めてあった。
1日4組しか取らないらしく、あとは女性1人が来るということだったが、うちの車をどこに停めるかおばちゃんに指示されている間に、その女性が車で到着。
車を見ると、以前うちが乗っていた愛車と同じ、軽のミラジーノだった。
夕食時に、その人も関東の人で、東北の青森まで運転して青森から函館を経由し、美瑛に到着したという話を聞いて仰天した。
軽自動車での高速運転は全然パワーが出ないので、長距離の移動はかなりきつい。以前ミラに乗っていた時は全くやろうとも思わなかった。
根性に自信がある人はぜひやってみてほしい。

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夕食後、眼鏡を装着し、パーカを着込み、チューハイを1缶持って宿の前の道路に寝転んで星を眺めた。
丘と一緒に撮ったら美瑛らしいかな?と思ったが、おばちゃんの言う通り丘のバックには旭川からのかなりの光害があって微妙だった。かなり遠く離れているのに、都市ってすごい。
美瑛では防雪林と一緒にいい感じの天の川が撮れて大満足。流れ星もたくさん眺められた。
その後雲が出てきてしまって、結局朝日も見れずじまいだったので(考えてみれば、今回の旅では日の出には恵まれなかった、しかも翌朝は土砂降り!)夕食後早々に星を見られてラッキーだった。
そのうち、23~25の3泊で取っている利尻の山の天気予報があやしくて、ヤマキさんと稚内で合流予定のユリコさんがメッセンジャーでやり取りするも、私は疲れて横で爆睡していた。

北海道車中泊の旅日記・03 一気に北上し、パーティーは3人に>>>

 

北海道車中泊の旅日記・01 車ごとフェリーで、北の大地へ

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01 車ごとフェリーで、北の大地へ
8/17(木)~8/20(日)大洗~苫小牧~札幌~新十津川~旭川

8月17日、お盆明けの出発当日。私とヤマキさんは夕方ホトリに集合し、フェリーが出る港、大洗へ出発した。
ヤマキさんは、ホトリのTシャツやトートバッグのデザインなどでお世話になっているイラストレーターさんなのだが、今回の私の北海道旅でスカウトしたら二つ返事で参加表明をくれた猛者である。「車の運転、できないけど!」と言われたが、こちらはその件に関しては全然期待していなかったので問題はない。助手席で私の居眠りを阻止してくれればそれだけでOKだ。
鉄分多めの彼女は、途中廃線寸前になっている北海道の鉄道に乗りたいという自由行動を条件に、私との交渉が成立。一緒に旅をすることになった。

これからしばらく仕事をしなくてもいいように身辺整理?をしながらの準備だったため、いつのまにか出発日が迫っていた。二人とも旅に出る実感はまったくなかった。旅のはじまりは何となく、というのはいつからだろうか。
子どもの頃は家族旅行が決まると、その日まで指折り数えて楽しみにしていたものだが、大人になると旅に出る時間をひねり出すために、その直前までの毎日が仕事に忙殺されることになる。

話がそれた。
ホトリがある台東区・浅草橋から、東向島、葛飾を北上し、常磐道を経由して約2時間半後に大洗に到着した。ホトリを出発したのが夕方5時くらいだったので、既に辺りは暗くなっていた。ちなみにフェリーの出航時間は真夜中の1時。どう考えても早く着きすぎている。
ただ暗い夜道を運転するのはちょっと嫌だったので、早めに到着してゆっくりしようと思っていた。が、大洗、何もない。(茨城の皆さますみません)港に車を停めて、周辺を散歩してみるものの、時間をつぶせるようなお店がない。
何とかのれんが出ている定食屋さんを発見し、そこで夕食を取ることにした。私はこれからさんざん海鮮系を食すであろうに、なぜか海鮮バラチラシ丼を注文してしまった。食べてから気づくから我ながら間抜けである。ヤマキさんの干物定食は、なぜか種類が違う魚が2種類も乗っていてボリューム満点だった。

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夕食を食べてもまだまだ時間が余っていたので、フェリーの駐車場で大型フェリーの中からトラックがばんばん出てくる様子を眺めてはきゃーきゃー言いながら動画や写真を撮りまくった。
トラックの荷台部分がない、運転席だけのバランス悪いやつがその辺を走っていてかわいかった。
やっと乗船時間が近づいてきて、車での乗船はドライバー一人だけと決まっているので、同行のヤマキさんは一般乗船口から乗船、私は車に乗って待機した。車でのフェリー乗船は初めてなのでかなりドキドキした。一列に並んでそろそろとタラップから進むのだが、縦列駐車とかやらなきゃいけなかったらどうしよう、という心配は無駄に終わった。
フェリーの係の人が優しく誘導してくれるので大丈夫だった。

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無事乗船し、フェリーの船室に行ってみると4人ベッドがある部屋が、なんと二人で貸し切りだった!ラッキー!
レストランはないけど、サウナまである窓付き大浴場はあるし、熱湯が出るカップ麺も食べれてかなり居心地がよい。真夜中だったが、出航からしばらくは甲板の上で海上の風を楽しむ。
残念ながらかなり雲が多くて、朝日や星空は見えなかった。夜遅かったので、この日はそのまま就寝。

0818.2

翌朝、大洗のコンビニで買ってあった朝ごはん後、コーヒーを飲んだらちょっと気持ち悪くなってきた。コーヒーが船酔いを助長したらしい。ヤマキさんによると、ハイチュウ食べるとよくなるそうで、半信半疑だったが実際に食べて寝たら本当にマシになった。ハイチュウを食べたのは中学生以来だった。
約19時間とかなりの長旅だったが、途中昼寝したり、大浴場につかったり、窓際のテーブルで海を眺めながら本を読んだり、持ってきていたDSでゲームやったりと、かなり快適な船の旅だった。ヤマキさんなんて船酔いしやすいと言っていたのに、揺れる船内で仕事をしていた。ノマドスタイルは場所を選ばないのだ。(それは、後々の旅の道中で彼女が証明した)
フェリーは楽しい。さんふらわあしれとこ号、ありがとう。また来年も利用したい。そういえば、予約したかった日にちだと夕方便がいっぱいで、しょうがなく深夜便になったけれども、夕方便だともう少し設備がラグジュアリーになるらしい。次回は夕方便を狙うことにする。

18日20時頃、苫小牧港に到着した。
特に涼しくもなく、北海道に降り立った感じは全くしない。
車に乗り込んでいざ札幌を目指そうとしたものの、カーナビではまだ車は大洗にいることになっている。一度リセットしないと、ここが北海道だとナビ子(※saorinカーのカーナビの愛称。以下カーナビをこう呼ぶ)は認識してくれない。
ほとんどワープだもんなあ・・・

さて気を取り直して苫小牧から札幌を目指すも、てっきり高速に乗れとナビ子から指示があるかと思いきや、普通の県道を行けとのこと。湖のそばの国道やほとんど山の中の道など、わかっているつもりだったけど超真っ暗である。 実は私、過去の運転中ハイビームをほとんど使ったことがなかったが、やっとこの使わざるを得ない状況で操作を覚える。ハイビームを付けたとたん、いきなり道路が色んな目印が浮かび上がって親切になった!この感じすごい。
空中から吊るされた下向きの矢印が大量に連なっていて、最初なんだろうと思っていたけど雪が積もったときの目印か、と気づく。 後で調べたら「矢羽根(付きポール)」というらしい。
そんなこんなで、やっと札幌到着。すでに夜10時をまわっていた。北海道の初日の夜は、札幌市内のゲストハウスを予約済だったのだが、なんと宿の近くの駐車場が空いてない!ぐるぐる回って、宿から少し歩くところにやっと駐車することができた。いや焦った。停められないかと思った。

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事前にリサーチ済のらーめん信玄さんに並ぶ。
この日は金曜で、おそらく飲みの帰りであろう人たちで店の前は既に行列だったが、今日は遅くなってもとにかく北海道の歓迎を(洗礼を?)受けるのだ!と意地で1時間近く並んだ。
ようやくありつけた味噌ラーメンは、ようこそでっかいどうへ、と言われている味がした。本当においしい味噌ラーメンだった。
今回の旅の道中、かなりラーメンを食べたけど、私の中で今回の旅の北海道ラーメンNo.1だった。
ラーメンでお腹がいっぱいになった後は、この日の宿であるゲストハウス、ソーシャルホステル365の1階がバーになっていたので、北海道上陸祝いと称して1杯だけ乾杯し、早々に就寝した。

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翌朝、8月19日の札幌は朝からとてもいい天気だった。
ヤマキさんは早々に周辺の散歩に出かけたらしい。私はのんびり7時頃起床した。
ゲストハウス内では早い者勝ちのシャワーを浴びて身支度を済ませる。
この日の午前中は、ヤマキさん希望の水曜どうでしょうの聖地、HTB(北海道テレビ)へ向かう。
どうでしょうマニアのヤマキさんに影響されて、最近私もこの番組をYou Tubeなどで見ながらお昼ごはんを食べることも多かったので、オープニングのロケ地は見ていたものの、実際に着いてみると「ここがそうなんだ!」という感じはあまりしなかった。カメラの角度とか微妙な見え方が違うのだろうか。
けれども、やはりファンが多い番組らしく、何の変哲もない公園だがファンらしき人がそれなりにいた。(中にはムンク君風船を抱っこしている人も←わかる人にはわかるネタ)
とてもいい天気で太陽の光がまぶしくきらめいていて、ここで撮った写真は意外と素敵な風景に撮れた。

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今回の旅では、せっかく北海道へ車ごと行くのだから、札幌と旭川の2都市で私の出張写真の残しかたワークショップを企画した。
どうせ個人的に旅で行くのだし、北海道ではワークショップをやったことがなかったので少人数でも開催するつもりだったが、思っていたよりも人数が集まりうれしかった。
札幌会場であるコミュニティスペースオノベカさんのすぐ近くには中島公園があり、開始前に時間があったので少し散歩した。
ワークショップが始まってから、途中ヤマキさんは自身の洋服(というか防寒着)の数に不安を感じたらしく、大都市にいる間にとユニクロへ洋服の買い出しに出かけていた。
ワークショップは参加者の皆さんのおかげで和気あいあいでとても楽しかった。また来ますね。

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終了後、翌日は旭川で開催なので早々に札幌を後にし、札幌と旭川のおおよそ中間くらいにある新十津川の集落にある宿へ向かった。
「Nijinos」というコテージみたいな家を貸し切り宿泊である。
ここは里山暮らしみたいなことをしている人たちの 集まる村らしく、「虹の里」という名前が付いていた。
宿は最近流行りの(?)Airbnbで予約したのだが、書いてある住所が全部英語。 名前も説明も何もかもが英語で漢字がいまいちわからない。
外国人向けの説明だというのはわかるのだが、カーナビにどう入力すればいいのかわからないのでどこかに日本語も加えてほしい。
ヤマキさんのGoogl Mapナビと力を合わせてなんとか到着した。
着いてみたらちょっとしたミニフェスみたいなイベントをやっていたけど、我々はとりあえず腹ごしらえ、ということで歩いて15分くらいの ところにある新十津川キャンプ場の施設の中にあるレストランへ向かった。
すでに真っ暗なので二人でないと行けない距離だった。でもビールが飲みたかったのだ。
車移動は便利だが、アルコールNGなのが難点である。
レストランではジンギスカン定食をいただく。結局その後ジンギスカンは食べる機会はなかったのでここで食べられてよかった。 (車中泊だとごはんが適当になる)

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宿に戻ってからシャワーを浴びて、晩酌タイムに突入する。
昨日HTBで買ってきた戦利品のどうでしょうトランプがこの日一番のヒットネタで、色んな話が飛び出して大爆笑の夜だった。

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寝る前に「星を見よう!」と外に出てみたら期待通り満点の星空だった!
私は今回の旅こそ星を撮ってみたい、と色々事前に設定などを調べていて、自分のへたくそな腕前で撮れるのか半信半疑だったが、試行錯誤の末何とか撮ることができた!!
記念すべき星デビュー写真は電線は入ってるわ、ピンボケだわで本当にヘタなのだが、ちゃんと設定すれば星は撮れるんだということがわかってがぜん星空撮影が楽しくなった。
この旅の途中、2、3回星を見て撮る機会があったけれど、帰ってからも 普通に見に行こうかなとも思った。

まだまだ話は尽きなかったが、明日もあるので早々に就寝。
ちなみに宿はロフトになっていて2組の布団はそのロフト上にあったが、私はトイレが近いのと寝ぼけてハシゴから落ちるんじゃないかということで、1階に布団をおろして寝た。
蚊取り線香を炊いて寝たら寝巻に思い切り匂いが付いた。

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8月20日。Nijinosで迎えた朝は爽やかな空気に包まれていた。
家から持参してきた山用ガスバーナーでお湯を沸かしてコーヒーを入れ、昨日残ったパンを半分こして朝食に食べた。
泊まった宿にはちょっとしたテラスがあり、そこでいただく朝のコーヒーはとてもおいしかった。
まだ出発には早いので、それから朝の散歩に出かけた。何となく歩けるところまでてくてく歩いていたら、猫が歩いていたり牛舎の中から牛がこっちを覗いていたりと、夜のあいだには見えなかった景色がいっぱいで楽しかった。

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そして、泊まった宿のある「虹の村」内も改めて散歩してみると、ヤギや鶏、犬や小さな馬までいた。どうりで威勢がよいコケコッコーが聞こえてきたはずだ。
時間があったら、村の入り口にあるスープカレー屋さんで食べてみたかったけれど、今回は残念。
身支度をして、旭川へ向けて出発した。

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今日は午後、旭川でワークショップだけれど、午前中は時間があるぞ!ということで、弾丸で旭山動物園へ向かった。
昔訪れたとき、動物園の駐車場に入るまでにすごく渋滞していた記憶があって、この日も一応週末だから大丈夫かなと思ったけど、普通に入ることができた!よかった。時間によっては動物園に入らずにそのままワークショップ会場に向かうことになるかもしれなかったのでほっとする。
あまり時間がなくて行列ができていたシロクマ館は見れなかったけれど、それなりにぐるっとまわれて私は満足した。
おじいちゃんから受け継いだ望遠レンズ、Leicaの90mmもここで登場。望遠レンズの威力を知るも、ピント合わせが難しいオールドレンズで動物に挑むのは修業が足りないと知る。

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お昼は、旭山動物園からすぐのところにある特一番さんで旭山ラーメンをいただいた。これまたとてもおいしかった!
ラーメンを堪能した後は、旭川市民文化会館へ向かう。
場所はわかりやすいのですぐ到着したけれど、そもそもこういう公共の施設を利用してワークショップをしたことがないので 手続きなどの手順がよくわからず、鍵をもらって開けたのがスタート時間ぎりぎりになってしまった。
旭川の皆さんも参加してくれてありがとうございました!来年も、北海道でまたワークショップやるかもしれないけど、すみません札幌だけになりそうです(笑)。
余談だが、この旭川の市民文化会館の会議室は道民以外の人も利用できるのだが、 料金の支払い方法が窓口で直接か、現金書留という2択しかない。
現金書留!!
昔おばあちゃんがお小遣いを現金書留で送ってくれたあの封筒の記憶しかない。
振込では受け付けないそうで、しょうがないから郵便局で現金書留の手続きをした。送料に数百円もかかって何だかとても馬鹿馬鹿しい。こういうのをお役所的というのだろう。
でも、公共の施設はやはり使用料金が格安なので文句は言えない。(言ってるけど)

旭川のワークショップが思ったより早く終了し、参加者の方に教えてもらったギャラリーの写真展へ。
この日は旭川ビジネスホテルに宿泊なので、移動がなくゆっくりできた。
時間があるので商店街をうろうろしていて、ドラッグストア目当てで入ったちょっとしょぼいデパート(失礼)に入って上の階に行ってみたら、二人とも好みがどんぴしゃな洋服屋さんがあった!私はワンピとカーディガン1枚ずつ、ヤマキさんはワンピース2枚も買っていた(笑) 二人して予定外の散財だ。
この日の夜はワークショップお疲れさまということで、旭川のこじゃれたバーレストランのようなところで乾杯した。 仕事から解放されたのでがっつり飲んでいいはずが、やはりワークショップは何気に接客で緊張するのでけっこう疲れていたらしく、私にしてはめずらしく2杯くらいで退散。
その後、ヤマキさんが行きたいスーパーがあるということでてくてく徒歩移動。ちょっと買い物をして、夜の旭川のネオンに触れつつホテルへ戻った。 少し歩くと旭川もおもしろそうなお店がいっぱいあった。
ちなみにどうでもいいが、旭川はコインパーキングだらけの街であった。
明日からは完全プライベートな旅で移動になるので、早々に就寝。

北海道車中泊の旅日記・02 絶景、また絶景へ>>>

 

 

北海道車中泊の旅日記・プロローグ

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プロローグ 旅のきっかけは、天気

天気ばかりは、思い通りにならないものだ。
私は2016年、北海道の礼文島を旅して、心底そう思った。

ずっと憧れていた、花の浮島・礼文島。
この島でトレッキングしてみたくて、思い切って飛行機を予約し、3泊4日なら1日くらい晴れるだろう!と長めに宿を予約した。
移動になんだかんだ時間がかかるため、せわしないのはやめよう、と札幌やら小樽やら、途中の立ち寄りはなし。
羽田-稚内の飛行機、そして稚内からフェリーで礼文島へと、この島一筋で旅の計画を組んだのだ。しかし・・・

prologue
2016年に訪れた礼文島は、濃霧の世界だった

雨は降らなかったものの、4日間すべて、分厚い雲が上空を覆った。
両側に花が咲き乱れるトレッキングコースも、濃霧状態で神秘的と言えば聞こえはいいが、ガイドブックで見た景色とはだいぶ違う。本ではどこまでも広がる高山植物の花畑がとても美しかったが、実際は霧で3m先しか見えない。まるで白昼夢の世界のようだった。
ましてや、礼文島からは隣の利尻島にそびえる利尻山がばっちり見える、とあったのにそれすら全くおがめなかったのだ。私は今回再び稚内からフェリーに乗るまで、利尻山がどんな全貌なのか知らなかった。
台風が来るとか、豪雨にみまわれるとか何もできないよりはマシだったけど、でもあの景色を見たくて旅を計画したようなものだったので、とにかく悔しかった。

天気さえよければ・・・

そう考えていると、「天気がよくなるまで待っていれば、そのうち晴れるのではないか」と当たり前のことを思いついた。いわゆる“天気待ち”だ。
このときは夫と二人旅行だったため、頭とお尻の日程は決まっており、飛行機とフェリーという融通の利かない移動手段を取らざるを得なかったが、私は幸い(?)フリーランスの身である。
そして、北海道へはフェリーという移動手段があることを知っている。
遠い昔、学生に毛が生えたくらいの時に、今回の旅と同じ大洗から苫小牧までフェリーで渡ったことがある。その頃はLCCなんてものはなかったから、とにかく安く旅をする!と節約を優先させると自動的にフェリーという選択肢になった。
船の旅もそれなりに楽しかったが、フェリーで北海道へ渡る人は、ほとんどが車かバイクと一緒に乗船するということをそのとき初めて知った。

そして、現在。我が家はアウトドア好きが高じて、ほぼフルフラットにできるミニバン、フリードに車を買い替えた。この理屈でいくと、車ごとフェリーで北海道へ渡り、車中泊しながら北上していけば車で利尻・礼文へまた行けるではないか。

自分の思いつきにワクワクした。礼文、リベンジ!

北海道車中泊の旅日記・01 車ごとフェリーで、北の大地へ>>>

ペシの恋人展 1/13(土)~1/21(日)開催のお知らせ

このイベントは終了しました。詳しいレポートはこちらをご覧ください。

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こんにちは。ホトリ室長saorinです。
今年8月、車ごとフェリーで渡り、最北の利尻島まで旅した北海道珍道中の3人旅展をホトリで開催します!
写真・イラスト・インスタレーションの展示です。私は主に写真で参加します!
旅好きの方、北海道好きな方、車中泊の旅が気になる方(笑)ぜひぜひ遊びにきてくださいませ。
ホトリ丸ごと北海道はでっかいどう!でお待ちしてます!

(12/28追記)お知らせその1:zine「ROAD TRIP  Breeze is nice」できました!
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(12/28追記)お知らせその2:北海道車中泊の旅日記の全日程をジャーナルで公開しています!
ぜひチェックしてみてくださいね。かなりのボリュームです(笑)
zine、ジャーナル共にこちらをご覧ください。zine「ROAD TRIP Breeze is nice」/北海道車中泊の旅日記、公開>>>

pesi-atena

関東から車ごとフェリーで北海道に渡り、最北の地・利尻島まで旅した14日間。全走行距離2,760kmの旅。
最初2人からスタートし、稚内で合流して3人に。
利尻山に登ったり、ちゃんちゃん焼を作ったり、地面に寝転がって満天の星空を眺めたり、利尻のアイドル、ペシ岬にうっとりしたり。
今でもペシを思ってちょっと切なくなる、3人による旅の記憶をおすそわけ!

saorin/ヤマキミドリ/Yuriko Fukazawa 3人展
ペシの恋人展 1/13(土)~1/21(日)

◆会期:2018年1月13日(土)~1月21日(日)13:00~19:00 ※17日(水)・18日(木)休廊
◆会場:写真企画室ホトリ 〒111-0053 東京都台東区浅草橋5-2-10 詳しいアクセスはこちら
TEL 03-5809-3813(営業日以外はつながりません)
https://fotori.net

会期中開催予定のワークショップはこちら>>>

<3人のプロフィール>
saorin

saorin
写真企画室ホトリ室長。
写真にまつわる楽しいことを色々企画してます。
2017年は山にはまって数えてみたら登った山の数、40座以上。
今回の北海道珍道中旅の言い出しっぺ。
来年も行こうともくろみ中。
instagram:saorin_fotori

midori

ヤマキミドリ
フリーランスのイラストレーター/デザイナー。
森林限界域越えでテンションめっちゃ下がる病。
鉄分多め。チャリ好き。水どうマニア。
今回北海道初上陸でした。
HP:https://dolocy-t.jimdo.com
twitter:@midolocy

yuriko

深澤ユリコ
絵描き
絵画・イラスト・雑貨など制作しています。
端っこと岩とドライブが好きです。
blog http://yrkfvino.exblog.jp/
facebookページ @yrkfvino

写真を楽しむ133のネタ展 in 広島 Atelier Focoのお知らせ

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こんにちは。ホトリ室長saorinです。
7月23日(日)に開催する広島出張ワークショップ(詳細はこちら)に合わせて、会場のAtelierFocoさんにて、「写真を楽しむ133のネタ展」を開催させていただくことになりました!
2015年に出版した著書『写真を楽しむ133のネタ帖』で紹介している作品を抜粋して展示いたします。
大阪・レトロ印刷さんで開催した「133のネタ展」のレポートはこちら>>>

ワークショップと合わせて、ぜひ写真の楽しみ方を展示で実感してくださいね。
広島の皆さま、よろしくお願いします!

写真を楽しむ133のネタ展 in 広島 Atelier Foco

◆会期:2017年7月22日(土)~8月20日(日)12時~17時 ※初日7/22(土)は15時スタート ※月曜休廊
◆場所:AtelierFoco(733-0011 広島市西区横川町2-4-15) JR横川駅より徒歩5分 アクセス詳しくはこちら
TEL 082-533-6606
WEB http://atelierfoco.com/

※7/23(日)に透明アクリルパネルなどのワークショップを開催します!詳しくはこちら>>>

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講師:写真企画室ホトリ室長 saorin
浅草橋の写真アトリエギャラリー「写真企画室ホトリ」を主宰。
“写真を形あるものに残そう”をテーマに、写真雑貨制作や写真の残しかた教室を開催し、また自身のギャラリーでも公募展を企画するなど、様々な企画活動を行っている。また写真を軸にしたワークショップ・講座の企画も多数企画・開催。
「写真を楽しむ133のネタ帖」「写真でつくる雑貨」「フォトブックレシピ」(雷鳥社)「たいせつなものを撮ろう、残そう」(MdN出版)など5冊の著書がある。
https://fotori.net

cover_150405写真を楽しむ133のネタ帖(雷鳥社) NEW!!!
2015年6月出版

写真を楽しむのに、「こうでなくてはならない」という決まりはない!
もっとラフに、もっと自由に、もっと楽しんで、写真を撮ったり、飾ったり、 贈ったりする方法133を紹介している写真のハウツー本です。

1.撮る/2.デジタル加工する/3.アナログで工夫する/4.プリントする/5.飾る/6.展示する/7.カタチにする/8.贈る/9.まとめる/10.おすすめ撮影スポット など、10のカテゴリーで、写真の楽しみ方をまんべんなく解説!
アナログもデジタルも、両方のよさを知っていれば、写真の楽しさは掛け算のように何倍にも大きくなります。
Amazonページ

こちらは、写真企画室ホトリで展示した会場での写真です。

0721.10721.2  0721.5 0721.6 0721.7

開催はちょうど夏休み期間中ですので、ぜひ遊びに来てくださいね。
広島の皆さん、お会いできるのを楽しみにしています!