【室長の徒然コラム】写真をプリントするという選択肢

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「写真の残しかた教室」などを主宰しておきながら、写真は何でもかんでもプリントすればよし、とは私はまったくもって思っていない。
よく、写真をプリントしましょう、プリントしてこそ上達します、写真はプリントしてなんぼです、という正義をふりかざしている人を見かけるが、正直そこまで賛同できない。写真の歴史、メーカーの思惑などが複雑に絡み合い、“写真とはかくあるべき”、といういくつかの常識が写真業界には存在している。賛否両論どころかブーイングさえ来そうだが、ここであえて私は言う。
「写真はプリントすべき」というのはもはや呪縛だと思う。
プリントが悪いのではない。プリントするだけで写真が全て昇華されるような考え方に疑問を抱くのだ。そもそも仮想通貨や電子マネーすらも登場しているこのペーパーレスな時代に、何でもかんでもプリントすべきだ!という考え方自体が時代遅れなのかもしれない。

もともと写真はカメラオブスキュラで映し出された映像を絵画用の下絵に使うところからスタートした。その後は金属板の写真が発明され、その後フィルムからの紙焼きが登場した。デジタルになってからのそれに比べると、その歴史は長い。”写真=紙”である時代がずっと続いていたのだ。それがデジタルカメラやスマートフォンの登場で、“写真=データ”という新しい常識が生まれた。

写真をプリントしたことがない、という人は圧倒的に多いだろう。作品として写真を撮っていなくても、今の時代、スマホさえ持っていればどこでも手軽に写真を撮ることができる。SNSの普及で、撮った写真は簡単に発信・共有することができる。人に自分の撮った写真を見せる、という行為のスピードが、紙焼きしかなかった時代に比べて、爆発的に早くなった。

でも、知ってほしい。“写真をプリントする選択肢”があることを。
紙となって質量が生まれた写真は、単純にモノとしての愛着が圧倒的に増す。PCのモニターやスマホの画面で見ている写真はただのデータにすぎないが、それもまた写真と呼べるだろう。けれどもやはり、私たちは生きている人間であり、それぞれ個人が体を有している。同じように、質量、すなわち体を持った写真は、見られるということだけでなく、手に取って触る、部屋に飾ってながめる、という、データ写真とは異なる物理的な側面で楽しむ要素が生まれる。

だから、何でもかんでもプリントするべきだ!とは言わないけれども、スマホで撮ってインスタにUPする、それだけが写真だと思っている人がいたら、それはもったいないなあと思う。
写真をモノとして愛おしく思える選択肢を知らないということだから。

だいぶ減ってきているが、あなたの住む町にも写真屋さんがあるだろう。写真屋さんに行けば、銀塩プリントしてもらえる。自分でプリンターを買って、色んな紙にプリントしてみるのもよいだろう。もっとこだわってみたかったら、フィルムカメラで撮って、自分で現像・プリントしてみてもよい。手焼きのプリントはモノとして存在する写真としてはプレミアクラスだ。今は、検索すればいくつか貸し暗室が存在する。自分で暗室の道具や材料をそろえなくても体験ができる。

結局、写真はプリントすべき、という結論になってしまったかもしれない。いや、ちょっと違うか。まあ、そこら辺はどうでもいい。要するに言いたいのは、“写真をプリントする選択肢”を知ってほしいなあ、ということだ。

 

【室長の徒然コラム】フィルムの整理、どうしてますか

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ファーストフィルムの1枚。なんてことないベランダで撮った写真だけど、フィルムの描写に感動した

来年3月に、アビとの日々を綴った個展を開催することにした。それにともなって、今、昔のフィルムの大捜索中である。
7~8年くらい前からのフィルムはばさっと束になってあるのだが、どうしてもそれ以前の、フィルムカメラで撮り始めた頃の、初期のネガフィルムが見つからない。
一応全てデータ化されてPCに保管されているけれど、最初のフィルムのデータサイズなんて、長辺が900pxにも満たないのだ。プリントするにはサイズが圧倒的に足りない。L判かポストカードくらいが関の山だろう。
今日も自宅のパンドラの箱状態だったクローゼットや棚などを捜索したが、いまだ見つからず。もしかして捨ててしまったのだろうか。私のファーストフィルムは、かれこれ15年近く前にさかのぼる。当時どのように保管したか、そもそもどこに現像に出していたかなど、さっぱり記憶がない。人は本当に忘れていく生き物なのだなと思う。
けれども、写真を見返すと、それを撮った時の気持ちや情景がよみがえる。写真ってタイムマシンみたいだ。

もともと整理整頓が苦手でずぼらな性格な私は、撮ったフィルムを特に整理するわけでもなくずっとそのままで保管していたが、どうやらこのフィルム大捜索に引きずられて気分が整理整頓モードに突入したらしく(早めの大掃除のようなものだ)、このフィルムの山をどうにかしよう!とフィルムの整頓に着手した。

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数えてないが、一体何本分あるのだろう。いやむしろ数えるべきか。
一時期現像に出していた写真屋さんは、プリントなしでもインデックスを付けてくれていて、それは整理に大いに役立った。ネガフィルムは光に透かして見てもいつ撮った写真なのかわからないことが大いにある。

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マメだった時の私はインデックスをネガフィルムが入った袋の表面に直接貼り付けていたが、これだけ数が多くなるとその袋すらも物理的にかさばるということに気づき、インデックスをネガフィルムのシートに直接ホチキスで留めることにした。

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パリを旅していた時の写真。旅は旅ごとにまとめることにした。
ただフィルムって、枚数全てが同じ時に撮られたものではないことも多々あるのが悩ましい。
ほぼパリの写真だけど、数枚家の近所で撮った写真もある・・・みたいな。

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不要になったフィルムの紙袋を処分。
チリも積もれば、で結構な量になった。

で、インデックスが付いていたフィルムはやり終えたけど、問題はインデックスがないフィルム。光に透かしてみて、何が写っているのかとりあえず袋に書いてみたが、さてどうしようか。。。(既に力尽きた感がある)

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本当に、私のファーストフィルムはどこにあるのだろう。
自宅の、ここにきっとあるだろう!と目星をつけたところになかったので、ややあきらめかけている。もしかして本当に何もわかっていなかった昔の私、フィルムを捨ててしまったのかもしれない。記憶がないのが致命的だ。悲しい。

今は作品を撮るのはデジタルがメインになった私だが、フィルムで撮られた昔の写真を見ていると、センチメンタルな気持ちになる。これは、私が口笛を吹いたらアビが首をかしげまくっていて、めちゃめちゃかわいくてシャッターを切った。同じ首かしげ写真が6枚もある。こんな室内でも、その時のアビを残したくてフィルムで撮ったのだ。(もう一度、大きいサイズでスキャンしたいのだが・・・)

ネット社会の昨今、フィルムで撮ることが全て正しいとはもちろん言わない。けれども、デジタルと違う点は、写真のもととなるもの(=フィルム)に質量があること。その点がデータとは違う。写真に手触りを感じること、それは今の時代においてなかなか貴重なことだと思う。

そうそう、ホトリで人気のmasa*さんとのフィルムカメラレッスン、次回は平日開催で来年2月の4日(月)に決まった。また、針穴写真家の遠藤先生による針孔箱カメラを作る1DAYワークショップは2月16日(土)に開催予定だ。ここのところ、写真はデジタルから入った人がフィルムに興味を持っているな、ととみに感じる。近日中に告知するので、ご興味ある方はぜひどうぞ。

【室長の徒然コラム】本当に残したい、飾りたい写真のかたち

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今年リリースした、旅と山の写真案内サイト「畔の窓」に続き、ホトリの本家サイトでもわたくしホトリ室長saorinのコラムを綴ることにした。
いつものお知らせやレポートとは趣向も文体も変えて、とつとつと吐き出していく。
本当にお暇な方はお付き合いください。

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親ばか承知ですが超かわいいと思うんです

先月、10月の初めに、我が子のような存在だった愛犬アビが旅立った。
14歳と7カ月だった。
私が写真を形に残す制作活動を始めたのが2008年頃。そのもっと前からアビはずっと私に寄り添ってくれ、時には作品のモデルもつとめてくれていた。著書を持ってくれている方は、ちらほら紙面に登場する黒いミニチュアダックスに見覚えがあるかもしれない。
14年半もの間ずっと一緒に暮らしていたから、生活のすべてにアビが組み込まれていた。アビを失った最初の頃は、何か一つこなすたびに涙が出た。
でも1か月がたって、思い出すとまだまだ悲しいけれども、少しずつ心が癒えてきている自分に気づいた。時間ぐすりというのは本当だ。
時が痛みやつらさをやわらげてくれる。

改めて、アビの写真を飾る、ということを考えた。
今まで「写真を飾る、残す」ということが仕事になってきた私だが、本当の意味で真剣に、自分の家にアビの写真を形に残して飾る、ということを振り返った。
写真を残すことを仕事にしてきてよかった。
私自身が本当に飾りたいアビの写真の形を、具現化できるのだから。

どんなインテリアとも喧嘩せず、遊び心もあって、なおかつとてもかわいい、そんな作品を私は過去に残していた。3冊目の著書「たいせつなものを撮ろう、残そう」に掲載している、レイヤードアクリルパネルだ。
たまにホトリでもワークショップを開催しているのだが、どうもコラージュが複雑で難しそうなのか、あまり人気がない(笑)。
けれども、今回新しく、わかりやすくシンプルなデザインで再リリースしてみた。
オーダーも始めてみた。
私が何よりほしいこのパネル、ぜひペットやお子さんの写真で注文してほしい。

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必要なのは、主役の写真と、背景の写真と、吹き出しメッセージだけ。
背景は私の写真を用意しているけれども、もちろん自分の写真でもOK。

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写真ではわかりづらいけれども、浮遊感がとてもかわいい。

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10cm×10cmとどこでも飾れるサイズで、1.5cmある厚みで自立する。
ぜひ、あなたの愛するペットやお子さまで注文してほしい。

注文についての詳細はこちらをどうぞ>>>

 

【室長の徒然コラム】ミラーレスカメラ(SONY α7II)とオールドレンズの写りについて語る話

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昨年2017年は私的にカメラ周りが激動した1年だった

こんにちは。ホトリ室長saorinです。
今日は最近使っているカメラとレンズについて、ちょっとしたコラムをお届けします。

ずっと、35mmのフィルムカメラ、Contax Ariaで作品を撮っていました。
デジタル全盛のこの時代になぜフィルムカメラで撮るのか、と聞かれたらこう答えます。「デジタルでは出ない質感、アナログ感がよい」
フィルムならではの粒状感、デジタルでは出ない(と思っていた)とろみ、ボケの感じ、柔らかさ。とにかくフィルムはよい。理屈じゃないよさ。
(フィルムカメラレッスン、今月あります!2/25(日)詳細はこちら>>>

と、最初からフィルムについて好きな理由を語ってしまいましたが・・・
わたくし、昨年ついに主機をフィルムからミラーレス一眼に乗り換えたのでした。
フィルムをやめたわけではないのですが、ミラーレス+オールドレンズの組み合わせが思っていた以上によくて、フィルムみたいな柔らかさが出るので、最近はもっぱらミラーレスで撮っています。

というわけで、今日はそのミラーレス一眼と、オールドレンズの組み合わせ、写りについてまとめておきます。
ちなみにオールドレンズとは、昔作られたカメラのレンズのこと。
今は、デジタル一眼レフやミラーレス一眼でも、マウントと呼ばれる専用のアダプターみたいなものがあれば、古いレンズも付けられるんですね。
しかも現行のレンズに比べて、クラシカルな写りとなるため、割と今人気です。

私が持っているミラーレス一眼は、SONY α7II。
今回作例をご紹介するオールドレンズは、主に使っているのがNOKTON classic Voigtlander(フォクトレンダー) 40mm F1.4。
あとはロシアの有名なぐるぐるボケレンズ、HELIOS-44-2 M42 2/58。
あとおじいちゃんから受け継いだLeicaのSUMMICRON M 50mmです。

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NOKTON classic Voigtlander(フォクトレンダー) 40mm F1.4 SC

最近はもっぱらこのレンズ。もともとフィルムカメラに45mmの単焦点レンズを付けて撮っていたので、大体同じような画角で撮る時の感覚が同じ。
絞りを開放すると、被写体の周りがふわっとなるあの不完全な感じがとても好き。
ボケ感も私がフィルムでいいなと思っていたとろみ、柔らかさはそのままです。

ちなみにこのレンズ、マルチコートとシングルコートの2種類があるそうで、コーティングの種類が少し違うそう。よりレトロでクラシックな感じはシングルコート、と中古カメラの店員さんに言われてシングルコートを選びましたが、店頭での確認ではあまり違いはわかりませんでした。まあ言っても同じレンズだしね。

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この、周りの草がふわっとボケる感じが好きです。

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仙石原のすすき。この時は朝の光が美しく、すすきについた朝露がキラキラでした。

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と、最近の写真はほとんどこのレンズ。超気に入ってメイン機となっているんですが、あえて挙げるならAriaに比べて超重い。

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Leica SUMMICRON M 50mm

ひょんなことから譲り受けることになった、Leica(ライカ)のレンズの一つ。
もともとこのライカレンズを使いたくて、ミラーレスに手を出したんでした。
これは標準レンズ(人が自分の目で見ているのと大体同じ感じで撮れるレンズのこと)の50mmです。

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木曽駒ケ岳に持っていって撮ってみました。
このレンズは、今ほぼ100%使っている↑のフォクトレンダーを手に入れる前で、オールドレンズというものに過剰な期待を抱いていた頃(笑)。
いざ撮ってみたら、「あれ?結構シャープだなあ・・・(オールドレンズのフィルムっぽい柔らかさを期待してたんだけどな・・・)」

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よくも悪くも、色んな意味で私が抱いているデジタルのイメージそのまま。
写りはとてもシャープで繊細。とてもいいレンズというのはわかるんですが、やっぱりデジタルっぽさは抜けないんだよなあ・・・

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こういう感じで、全体をぱっきり撮りたいときにはよいと思います。

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お花のアップ。絞りを開放すればもちろんボケもすばらしいんだけどね。

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ちょっとイケメン過ぎたこのレンズ。今はあまり使っておりません(笑)

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HELIOS-44-2 M42 2/58

こちらは、オールドレンズの中では有名なロシアのレンズ、ヘリオス44-2。
オールドレンズの特徴の一つでもある、おもしろいボケが際立って出るのと、5,000円前後と割安なため、オールドレンズの入門として買う人が多いです。私もその一人。

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このヘリオスで有名なのは、絞りを開放した時に出るぐるぐるボケ。

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背景の緑、ぐるぐるしてますね。

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ちなみに同じ構図で、もう少し絞りを上げるとぐるぐるが少なくなります。

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毎回このレンズだとさすがにちょっと飽きてしまうのですが、この作例を撮ったときみたいに太陽の光がきらきらしている時を狙ってみると、ヘリオスのよさが最大限に発揮できます。

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ね、↑と同じ構図で今度は絞り開放に。ぐっるぐるです。
このときはヘリオスで初めて撮った日で、おもしろくて何枚も撮っていました。
そう、フィルムカメラだとそんなに枚数撮れないんですが、デジタルなら同じ構図で絞りを変えて試し撮りがばんばんできます。

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光がたくさんあふれている時が効果的!

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フォクトレンダー Voigtlander
VM-E Close Focus Adapter クローズフォーカスアダプター

最後に。レンズではなく、クローズフォーカスアダプターの紹介です。
これ、レンズ並みにお高い(30,000円くらいしたような)のですが買って大正解のシロモノ!

クローズフォーカスアダプターって・・・?という方に少し説明すると。
私が今使っているレンズは、最短撮影距離が0.7mでして、要するに70cm以上被写体に近づくことができません。70cmって結構ありますよね。風景ならそれでよいのですが、例えば今日のランチとか、素敵な雑貨とか、そういうものにぐっと寄って撮ることができないんですね。

今まで使っていたフィルムカメラのレンズもそうでした。でも、その時はクローズアップフィルターを付けて撮影していました。
レンズにかぶせて付ける虫メガネレンズみたいなものです。それを付ければ、より近く寄って撮ることができました。

でも、まあいつもいつも寄って撮りたいわけではないので、普段は外していて、寄るときだけフィルターを付けていたのですが、割と面倒でした。

しかし!このクローズフォーカスアダプター。レンズより本体手前側にまずつけるものなので、つけっぱなしでいけるんです。30cmくらいまで寄れるのでとても便利。
しかも、撮影距離の調整ができるので、レンズの距離と組み合わせて自由に寄ることができます。

このアダプターを付けて、寄って撮った作例がこちら。

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ほとんどがアウトドアごはんでしたが(笑)
少しお高いのですが、でも買って大正解でした!

というわけで、ミラーレス一眼+オールドレンズについて割と熱く語ってみました。
今年も写真、いっぱい撮りたいです!

【室長の徒然コラム】同じ名前のカフェに行った話と、名前のつけ方について

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こんにちは。ホトリ室長saorinです。
今日から水曜まで、ホトリ写真部グループ展「トリコ」はお休みです。ご注意くださいませ。
いつもこのブログはホトリの業務日誌で、割と事務的なお知らせばかりなのですが、今日はちょっとだけ違う話を。

先日、渋谷にホトリカフェというお店があるのを最近たまたま知り、行ってきました!
ホトリだって!同じ名前!しかもサイトを見たらおしゃれな感じ。
もともと食の好みがオヤジ入っている私は、カフェと呼ばれるお店に入るのも久々です。
渋谷の東急ハンズよりもさらに先、NHKホールがある宇田川町にあります。

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基本はサンドイッチがメインのようで、BLTサンドセットを頼みました。
かぼちゃのスープとコーヒー付きです。シンプルで美味でした。
 
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お店はうちのギャラリーの後にできたようで、スペルは違いますが鳥をロゴモチーフにしているところは一緒。これはメニューブックです。オサレ。

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扉の色が、私の写真企画室ホトリのテーマカラーであるくすんだグリーン!
親近感を覚えてうれしくなりました。
と、おしゃれなカフェに行って満足した話でもありますが、お店の名前の付け方についてもちょっと思うところがあり日記に書きました。

私 自身、お店が横文字の名前だと覚えられないので(特に読めないフランス語)アトリエギャラリーをオープンするにあたり名前でこだわったところは、漢字が入った日本語であること。覚えやすいこと。この2点です。
これは私のお店の営業形態が大きく影響しています。
毎日オープンしているわけでもないし、飲食店 みたいにお店の前を歩いている人がたまたま立ち寄ってくれたら売り上げにつながるというわけではなく、「確かこういう名前の写真のギャラリーみたいなお店 があったな」という人々の記憶のもと、インターネット検索で発見される確率が高いです。となると、お店の名前の覚えやすさがカギ。
「写真企画室ホトリ」と 一発で出てこなくても、「企画」やら「写真」みたいな単語が付いてたような・・・これだけでも検索でヒットする確率が上がります。もちろん「ホトリ」だけ しか覚えていなくてもOK。「写真」と「ホトリ」で検索すれば出てきます。
逆にどちらかというと飲食店って、お客さんが自分の生活圏内でお店を発見して入ってみるというパターンなので、横文字のかっこいい(でも読めない)名前でも大して問題ないんですよね。あのあたりに、かわいいカフェできてた! みたいな感じで覚えてもらえればよいわけで。
だからこそ、同じ名前というところに妙に食いついてしまいました。
「ホトリカフェ」のお店の名前の由来が知り たい!

ちなみに、うちの場合は“foto(=photo)”と“TORI(鳥)”から来ています。もちろん、生き物が集まってくる畔の意味も込めて。
なんで鳥?なのかは、こちらの記事をどうぞ。

【室長の徒然コラム】ホトリを借りて丸4年が経ちました

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こんにちは。ホトリ室長saorinです。
今日で3月も終わり。年度末ですね!
ホトリのすぐ近所にある公園の桜も、だいぶ咲き始めていました。7分咲きくらいでしょうか。
先日、ホトリの火災保険の契約を更新しました。つまりホトリを借りてから、丸4年経ったことになります。
毎年この時期になると、ホトリを契約して、これからオープンに向けて改装がんばるぞ!と胸を熱くしながら桜を見上げていたことを思いだします。
前のブログでも、4年前に桜を見ながらサンドイッチを食べていた日記がありました。
ホトリがオープンした誕生日は7月14日ですが、実際に契約スタートしたのはちょうど今ごろなので、どちらかというと今の季節の方がしみじみこみあげてくるものがあります。
4年前の、もうこれからがむしゃらに前に進むしかないあの時の自分。懐かしいです。
改装日記も、がんばったなー、ほんとすごい経験だったなーと、何度読み返しても我ながらおもしろい。また同じことをやれと言われてもおそらくムリだろうな・・・(笑)

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最近読了。
みちくさアートラボの椎名さんと、交換ワークショップツアーの際に交換図書をはじめまして、借りた本です。
ちょうどこの季節というタイミングもあり、ホトリを始めるときの、念願の場所を持つ夢が叶うことがうれしくて、ワクワクして仕方なかった自分を、本を読んで思い出しました。
というのもちょうど昨年秋に、私の人生観が変わる出来事があり、もう本当にここ数カ月はジェットコースターのような日々だったからです。
正直ホトリは二の次で、CP+などの仕事も今振り返ってみると何とか無事にこなすことができたという感じ。色んな記憶が吹っ飛んでおります。正直、ホトリの仕事はしていたけど、新たに何かをやろうというパワーは全く起きませんでした。
でも今、この桜の季節を迎えて、4年前のがむしゃらだった自分を思い出し、やっと前に進んでいく色んなものを取り戻せてきた気がします。新しい企画を考えたり、新しい試みに取りかかったり、新作も制作中です。ホトリを運営していく仕事は、そういう色んな意味での創作意欲的パワーがかなり必要になるので、本当によかった。
体だけではなく、心のパワー不足も時間ぐすりが治してくれるんですね。
桜と、この本の著者である家入さんに(あと、本を貸してくれた椎名さんにも)感謝です。

ホトリは、新しい企画を色々と考え中です。
今年度も、どうぞ写真企画室ホトリをよろしくお願いします。

写真企画室ホトリ 室長 saorin

 

 

 

【室長の徒然コラム】作品展終了御礼/私が写真を撮る理由

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こんにちは。ホトリ室長のsaorinです。
昨日をもって、saorin個展「写真を楽しむ133のネタ展」東京会期が終了いたしました。
皆さまには厚く御礼申し上げます。
いつもなら、ここで詳しいレポートをUPするところなのですが、今回は最後に軽めにあげるのみとして、展示を終えて思ったことを少し書き連ねようと思います。

「ミラーレス一眼を買ったものの写真を撮る習慣がないので、散歩しても何を撮っていいかわからず、何も撮らずに帰ってきた」
作品展にご来場くださったとある方の言葉です。

ほほう。なるほど。と、しばしそのことについて考えていました。

考えてみると、なんで私は写真を撮ってるのかなあ??
しかも私、誰も人が入らない、よくわからん風景写真が好きだったりするし・・・。

確かに、私の周りにいる人全員が写真好きかというともちろんそうでもなく、全く興味がない人もいます。
写真も動画も見ないくせに、iPhone6で一番容量が大きい128GBを選び、にもかかわらずいまだにカメラロールの枚数は200枚台という人(夫)もいます。(しかも前の4からの通算)

以前、私は「どういう音楽を聴いていいかわからない」と思っていた時期がありました。
何がよいのかもわからないし、どういうジャンルを選べばよいのかもわからない。
この感覚、音楽好きにとっては意味不明なんだろうなあ。
だって自分が好きなものを選んで聴けばよいし、そんなの自由ですよね。

でもこれって、「何を撮っていいかわからない」という感覚と、すごく似てると思いませんか。
写真が好きな人からしたら、同じようなことを思っているわけです。
好きなものを好きに撮ればよい、と。

「何を撮っていいかわからない」

写真好きではない人から時折この言葉を聞きますが、撮りたいと思う欲求の対称が見つからないなら、 ムリに撮らなくてよいと思います。
それってつまり、その人にとって表現する手段が、今の段階では写真ではない、ってことですよね。

イラストを描く、歌を歌う、クラシック音楽を聴く、料理をする、ダンスをする、ウクレレを演奏する、カリグラフィーを描く、小説を書く、陶芸作品を作る、、、

表現という広い意味では、写真を撮るということとこれらは同じだと思います。

だから私の場合、

歌うのは好きだけど習うほどじゃない、料理は楽しいけど実用向き、ダンスは全然興味ない、消しゴムハンコは向いてなかった、ピアノは手が小さかったから弾ける曲が少ない、陶芸は楽しいけどかさばる・・・

そんな様々な取捨選択があって、私には写真が残ったのだと思います。

イラスト(ていうか漫画もどき)は昔かなり好きだったけど、描きあがるまでに時間がかかるので、写真の方が性に合ってるのかも。

写真が好きなこと、雑貨が好きだったこと、何かを作るのが好きなこと、これらが高じて、というかごちゃまぜになり、今気が付いてみたら、写真を残すことを提案しています。
自分の仕事(?)はとっても説明しづらいし、自分の場所である写真企画室ホトリ自体も、人にこういう場所ですって伝えるのにいつも苦労します。
(最近は、色んな教室やワークショップをたくさんやるようにしているので、ちょっとは説明が楽になりましたが)

いつか、突然写真に飽きる時が来るかもしれません。
そしたら、全然違うことに夢中になるのかもなあと、漠然と思います。
人生長いですし、何が起きるかわかりませんよね。

まあ、でも、少なくともしばらくは今やっていることを続けるのだと思います。
今回はザ・作品展だったから、今はまたシンプルに写真を撮りたいという欲がまたでてきました。
結局、波はあるけど、なんだかんだで写真を撮るのが好きなんですね、私。

写真企画室ホトリも、先日14日で3周年を迎えました。
最初はほんとに手さぐり状態。思い切りと行動力だけはあるのでオープンはしたものの、こういうのって継続するのが一番大変です。
でも、作品展期間中、ホトリで出会い、集まってくれる皆さまや、家族や友人があっての私だし、写真企画室ホトリだと実感しました。

今月末からは大阪、10月末は岡崎での巡回をひかえていますが、ひとまず東京・浅草橋での展示終了のお礼を申し上げます。

ご来場くださった方、気にかけてくださった方、本当にありがとうございました。

以下、展示の様子を少しだけお届けします。

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ボツになった新刊のカバー候補や、校正紙なども合わせて展示しました。

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11日には、身内でオープニングパーティーを行いました。

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11日の日中には、アクリルパネルWS。

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紆余曲折があったものの・・・
皆さんきれいに仕上がりましたー。

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翌週18日はジェルメディウム転写パネル作り。

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途中ドライヤーで乾かす必要があるのですが、ブレーカーとの戦いに・・・(うすうす予感はしていたけど)

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最終的にはこんな感じに!

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最終日、昨日は和綴じブック作りWSでした。

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好きな糸で綴じていきます。

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同じ色の表紙でも、糸で雰囲気が変わりますね。
皆さま、ありがとうございました。

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さて、名残惜しいですが、今から全ての展示物をひっぺがしまーす。
大阪に向けて梱包しないと!

 

 

 

 

 

 

 

【室長の徒然コラム】最近の登山&キャンプブーム

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こんにちは。ホトリ室長のsaorinです。
ここは、ついホトリのお知らせ&告知記事ばかりになってしまいがちですが、たまには私saorinのプライベートな話を。

2,3年前から、我が家には空前のアウトドアブームが到来し、時間を見つけては登山&キャンプにいそしんでいます。
学生の頃はBBQなんてめんどくさいだけだったし、登山もなんでこんな体力使ってまで大変なことをするんだろうと、まったくもってそのよさがわかっていませんでしたが、年を取ったのか、考え方が180度変化しました。
うーん、人って色々変わっていくものですよね。

というわけで、今年のGWも登山とキャンプを楽しみました!
山は、相模湖近くの石老山へ。
久々の登山だったので初心者向けのコースにし、帰りは温泉を楽しみました。

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いい天気で、富士山もきれいでした!
それにしても、お一人さま登山は自撮り棒が活躍するのですね。。。

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GW後半は、待ってましたとばかりのキャンプ!
キャンプはさすがに冬場はハードルが高すぎるので、シーズンになるのが待ち遠しかったです。

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キャンプ場に選んだのは、栃木県と茨城県の県境にある、昭和ふるさと村
ここは、今から10年くらい前(意外と最近)に廃校になった小学校の校庭がキャンプ場として開放されていて、校舎も自由に見学できるんです。
どこもかしこも、昭和レトロ感半端ないです!
写真も撮り放題なので、超・おすすめのスポットですよー。

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ひなびた温泉街のゲーセンとかで見かける、古いゲーム。

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昭和46年発行の少年ジャンプを発見!超レア。
「ど根性ガエル」は知ってるけど、ほかの漫画は知らない・・・
中の紙も少し黄ばんではいたものの特に痛んでおらず、ちゃんと読めました。

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アビ、一瞬だけ担任の先生に。
きりーつ、礼!

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古いランドセルがあったので、背負わせてみました。(嫌そう)

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昔はきっとどこの家庭にもあったんだろうなあという道具などがそのままになっていて、すごくおもしろいです。

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夜は、飯ごう炊飯とダッチオーブンで、先日ASIA GOHANで楽しんだカオマンガイを作りました!
あ、ちなみに次回のASIA GOHANは6/13(土)に開催します!
近日中に告知いたしますのでお待ちくださいませ。

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翌日は、昭和ふるさと村から車で20~30分くらいのところで開催されている器の一大イベント、笠間ひまつりへ。
お天気にも恵まれ、たくさんの人でにぎわっていました。

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以降は、秋・冬に撮った写真だけど、山つながりということで何となくUP。

山で写真を撮る時は、なぜかモノクロモードが好きです。樹や石など、モノの形態にひかれるのでしょうか。

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さて、今年はあとどれくらい登山&キャンプできるかなー。

というわけで、ホトリには直接関係ありませんが、室長saorinの最近のブームでした。

ちなみに、わたくし来週11日夜から17日夜まで、昨年も訪れた廃墟の島、池島と、屋久島のはしご旅に行ってまいります!
この間、メールの返信ができませんので、ご了承くださいませ。

 

 

【室長の徒然コラム】 勝沼ブドウ園&明野ひまわり畑へ

こんにちは。室長のsaorinです。
夏は本当に苦手な季節のはずなのに、7月に入ってから2回もプチ遠足へ出かけてます。
一体どうしたんだろう・・・
夏休みの子どもみたいに、遊びたい欲が高まっているのかもしれません(笑)

7月は勝沼ブドウ園、8月は明野ひまわり畑と、最近山梨づいてます。

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勝沼ブドウ園のとあるワイナリーから。
緑に見えるところはほとんどブドウ畑。

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このワイナリーの試飲スペースがとても気に入りました!わかりにくいけど隣には川が流れてて、すごくいい感じなんです。暑かったど。
ワインの試飲をしまくりたいがために、もちろん電車で来ています。
なのでワイナリー間の移動は徒歩。暑かった。(←二度目)

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初めてブドウ園の写真を撮りましたが、思ってた以上にフォトジェニックでした。
あと赤か白かはもちろん、葉っぱの形や実の大きさなど、ブドウにも色々種類があるのだなーと感心。

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夏休み!!!という感じ。(夏休みじゃないけど。)

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やっぱり山梨はほうとうで〆、ですね!

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そしてお次は、8月に入ってから思いつきで出かけた、明野ひまわり畑。(寝坊&渋滞で挫折しかかった)
途中の高速走ってる時に見えた雲が、わんこみたい!と思わずゲキシャ。

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何とか、ひまわり畑到着。おおーーーーほんとに一面ひまわり。ひまわり。ひまわり。

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ひまわりソフトなんていうものもあったので食べてみました。
香ばしいひまわりの種がトッピングされてます。おいしかった。

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ひまわりって本当にみんなおてんとう様の方を向いているのですね。
あまり深く考えてなかったんですが、ひまわり畑って、撮るのが若干難しいです!
青空バックにしたいのに逆光になるというジレンマ。(時間帯によるんだろうけど)
あと、背が高くてなかなかうまい位置で撮れないというか。

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それでもシャッター切ってたら、なんかひまわりの花が全部顔に見えてきた・・・ちょっとホラー

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ランチは、廃校を利用したおいしい学校の中にあるイタリアンレストラン、「ぼのボーノ」へ。

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都心に比べてとっても良心的なお値段でした。もちろん美味!ごちそうさまでした。

と、写真は全てiPhoneですが、プチ遠足を振り返ってみました。
渋滞さえなければ意外に近い山梨。また行きたいです!

プチ遠足レポート、終わり。

フィルム写真は・・・またいつかどこかの機会がありましたらおひろめします。

 

【室長の徒然コラム】長崎・池島へ旅してきました

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こんにちは。ホトリ室長のsaorinです。
先月末、長崎の池島を旅してきました。純粋に写真を撮るのが目的の旅は本当に久しぶりでした。
現在進行形で廃墟になりつつある池島は本当におもしろく、大興奮!
廃墟の島といえば軍艦島が有名ですが、そこよりもはるかに楽しかったです。
がっつり3泊滞在し、写真もたくさん撮れて満足です。現像が上がったので、デジ&iPhoneの写真と織り交ぜて少しだけご紹介しますね。

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右も左も、全て廃墟。
人が去った後の建物は、樹木がこんなにはびこるんだなー・・・

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稼働を停止した火力発電所。

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廃墟マニアにはたまらない池島ですが、もう一つの魅力的な被写体は猫。
フェリーを降りたとたん出会う団子状の猫たち。

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見てたら団子の形が変わりました(笑)。

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島内には唯一の食堂があるのですが、その前にもたくさんの猫たちがいました。

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さてここからは炭鉱見学ツアー。カメラをデジタルに持ち替えます。

池島は炭鉱の島として栄え、最盛期は島の人口が8,000人を超えた時期もあったとか。
2001年に閉山し、現在はその名残を見学できるツアーがあります。

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このトロッコに乗って、炭鉱トンネルへGO!
ちょっとした和製インディ・ジョーンズの気分を味わえます。

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トロッコが鉱山に入っていく様子を動画でUPしています!(上の画像をクリックしてみてくださいね)※音が出ます

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この炭鉱見学ツアーも、説明が盛りだくさんでおもしろかったです。

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ツアーに付いてくるお弁当。昔なつかしのアルマイト弁当箱でした!
でも、結構量が少なめなので、男性が参加される場合は何か持参した方がよいかもしれません。

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てけてけ歩いていたら出会った子たち。

池島はとにかく物資がなく、宿泊施設は1カ所だけ。食堂も1ヶ所のみ、夕方17時半には閉店。
コンビニなんてあるわけがなく、フェリー港付近にある唯一の売店も、食堂と同じく17時半閉店。
ここまで何もないとかえって潔く、この島で過ごす時間が本当に楽しく思えました。

“選択肢がなさすぎること自体がある意味、貴重な選択だ”

軍艦島は一度行けばもう十分と思ったけど、池島は何度でも訪れたい!

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だって、海を一望できるこんな特等席を発見しちゃったからね!
また池島を訪れたら、今度はビールを持ってここでぼーっとしたいです。

最後に、声をかけてくれたMikaさん、ありがとうー!!