お休みをいただいたり、別件でばたばたしておりました。
お礼が大変遅くなりましたが、先週の17日をもって、わたくしsaorinの写真展「Paris」が無事終了いたしました。
入口の挨拶は、小さな窓からこんにちは。
今回、写真をただ展示するだけじゃつまらないなーと思い、ちょっとした仕掛けを試みてみました。
それがこれ。
皆さん、ん?とめくってくれました。
大きくプリントした作品それぞれに、写真を見て思いついた妄想もどきのストーリーを付けました。
今年の3月に世田谷美術館で見た、クラフトエヴィング商會さんの展示方法がすごくすてきで、(あの味のある作品たちに、それぞれストーリーが付いているというもの)私も写真でぱくらせて・・・もとい、真似させていただきました。
さらさらーと物語が広がる写真もあれば、しばらく見ていても何も降りてこない写真もありまして・・・
そういうときは、もう見たまんまを書いているのですが、それがかえって虚構と現実がうまく混ざったようで、見てくれた人からは「この話は、フィクション?それとも、きちんと取材したんですか?」など、皆さん質問してくださいました。
たくらみ、成功!
一部ご紹介します。
例えばDMに使った写真は、
親友
足が悪く、車いす生活のムッシュウと、最近本屋の家業を息子に
ゆずったムッシュウは、子どもの頃からの付き合いだ。
この緑の小路で毎日小一時間、その日の出来事を
あれこれ話すのが彼らの日課になっている。
雨や風が強い日はお互い家でおとなしくしているので、
次に会う時、何を話そうか考えを巡らせている。
そして顔を突き合わせてみると、自分が言いたいことばかりしゃべるので、
実際、お互いの話を聞いていないことが多い。
他には、
絆
盲目のマダムと、足の不自由な飼い犬の毎日の習慣は、
パリ市庁舎の広場のベンチで小一時間、物思いにふけること。
マダムは、散歩が愛犬の足にとってのリハビリになることを願い、
飼い犬は、この広場にあふれる美しい光が、主人の網膜に少しでも届けばいい、と願っている。
というような。
パリの何気ないワンシーンを切り取った写真たちですが、それでも、日常にもストーリーが含まれている、
というようなことを伝えたくて、このような展示にしてみました。
あと、「なぜめくる形にしたのか?」という質問もいただきましたが、これは「見ない」という選択肢も入れたかったから、です。
パリの地図をフリーハンドで描いて、どこで撮った写真か印を付けました。
ちゃんと、Google Map&ストリートビューで1枚1枚調べたんですよー。
今回の販売作品も、思っていた以上の数がお嫁にいってうれしかったです。
個展は終了しましたが、引き続き店頭で販売しております。
また、近々通販部(WEBショップ)にもUPします。
おなじみ、洋装豆本写真集も好評でした。
今回、プチミュゼさんによるパリの小さな蚤の市の一角も同時開催。
すてきな品々にうっとり、です。
珈琲カブ君による出張喫茶「Fotori Cafe」も、1日限定でオープン!
豆本写真集づくりのワークショップも、久々に開催いたしました。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございます。
ちなみに、中2階の暗黒空間にも、1階に展示しきれなかった写真を展示しました。
個人的にお気に入りだった場所も、少し紹介しました。
緑の小径(こみち)は、DMにも使った写真の場所。
緑のトンネルみたいな、すてきな道です。
会期中、すてきなお花や心のこもった差し入れをたくさんいただきました。
本当にありがとうございます!
今回は、ホトリ2周年を記念しての個展でしたが、足を運んでくださった皆さま、協力いただいた方々との素敵なつながりを改めて実感いたしました。
まだまだ、2歳なんてよちよち歩きのひよっこだよなあ、と思っていたのですが、それでも2年は2年。
ホトリを通じてつながっている皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。
本当に、ありがとうございました!
そして。自分への個人的な私信(?)というか、ちょっとしたおまけ、です。
待ち続ける椅子
その椅子は、パリのチュイルリー公園で、ある人をずっと待っている。
遠い昔、自分をこの世に生み出してくれた、優しい声をしたムッシュウを。
椅子は、生まれてからずっと外で仕事をしてきたので、体が錆でぼろぼろだ。
もうすぐ一生を終えることがわかっているから、なおのことムッシュウを待ち続けている。
天に召される前に一度でいいから、自分に腰かけてほしいと、切に願っている。
しかしその願いは、現世では叶わない。
ムッシュウも、天から椅子を見守り続けている。
そうそう、会期中にゆるかわフォトグラファーのきょん♪さんが来てくださり、記念に写真を撮っていただきました!
ちゃっかりホトリTシャツをアピール。笑
本当にありがとうございました!