【室長の徒然コラム】フィルムの整理、どうしてますか

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ファーストフィルムの1枚。なんてことないベランダで撮った写真だけど、フィルムの描写に感動した

来年3月に、アビとの日々を綴った個展を開催することにした。それにともなって、今、昔のフィルムの大捜索中である。
7~8年くらい前からのフィルムはばさっと束になってあるのだが、どうしてもそれ以前の、フィルムカメラで撮り始めた頃の、初期のネガフィルムが見つからない。
一応全てデータ化されてPCに保管されているけれど、最初のフィルムのデータサイズなんて、長辺が900pxにも満たないのだ。プリントするにはサイズが圧倒的に足りない。L判かポストカードくらいが関の山だろう。
今日も自宅のパンドラの箱状態だったクローゼットや棚などを捜索したが、いまだ見つからず。もしかして捨ててしまったのだろうか。私のファーストフィルムは、かれこれ15年近く前にさかのぼる。当時どのように保管したか、そもそもどこに現像に出していたかなど、さっぱり記憶がない。人は本当に忘れていく生き物なのだなと思う。
けれども、写真を見返すと、それを撮った時の気持ちや情景がよみがえる。写真ってタイムマシンみたいだ。

もともと整理整頓が苦手でずぼらな性格な私は、撮ったフィルムを特に整理するわけでもなくずっとそのままで保管していたが、どうやらこのフィルム大捜索に引きずられて気分が整理整頓モードに突入したらしく(早めの大掃除のようなものだ)、このフィルムの山をどうにかしよう!とフィルムの整頓に着手した。

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数えてないが、一体何本分あるのだろう。いやむしろ数えるべきか。
一時期現像に出していた写真屋さんは、プリントなしでもインデックスを付けてくれていて、それは整理に大いに役立った。ネガフィルムは光に透かして見てもいつ撮った写真なのかわからないことが大いにある。

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マメだった時の私はインデックスをネガフィルムが入った袋の表面に直接貼り付けていたが、これだけ数が多くなるとその袋すらも物理的にかさばるということに気づき、インデックスをネガフィルムのシートに直接ホチキスで留めることにした。

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パリを旅していた時の写真。旅は旅ごとにまとめることにした。
ただフィルムって、枚数全てが同じ時に撮られたものではないことも多々あるのが悩ましい。
ほぼパリの写真だけど、数枚家の近所で撮った写真もある・・・みたいな。

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不要になったフィルムの紙袋を処分。
チリも積もれば、で結構な量になった。

で、インデックスが付いていたフィルムはやり終えたけど、問題はインデックスがないフィルム。光に透かしてみて、何が写っているのかとりあえず袋に書いてみたが、さてどうしようか。。。(既に力尽きた感がある)

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本当に、私のファーストフィルムはどこにあるのだろう。
自宅の、ここにきっとあるだろう!と目星をつけたところになかったので、ややあきらめかけている。もしかして本当に何もわかっていなかった昔の私、フィルムを捨ててしまったのかもしれない。記憶がないのが致命的だ。悲しい。

今は作品を撮るのはデジタルがメインになった私だが、フィルムで撮られた昔の写真を見ていると、センチメンタルな気持ちになる。これは、私が口笛を吹いたらアビが首をかしげまくっていて、めちゃめちゃかわいくてシャッターを切った。同じ首かしげ写真が6枚もある。こんな室内でも、その時のアビを残したくてフィルムで撮ったのだ。(もう一度、大きいサイズでスキャンしたいのだが・・・)

ネット社会の昨今、フィルムで撮ることが全て正しいとはもちろん言わない。けれども、デジタルと違う点は、写真のもととなるもの(=フィルム)に質量があること。その点がデータとは違う。写真に手触りを感じること、それは今の時代においてなかなか貴重なことだと思う。

そうそう、ホトリで人気のmasa*さんとのフィルムカメラレッスン、次回は平日開催で来年2月の4日(月)に決まった。また、針穴写真家の遠藤先生による針孔箱カメラを作る1DAYワークショップは2月16日(土)に開催予定だ。ここのところ、写真はデジタルから入った人がフィルムに興味を持っているな、ととみに感じる。近日中に告知するので、ご興味ある方はぜひどうぞ。