保育園ワークショップ「カメラと写真で遊ぼう!」レポート

こんにちは。ホトリ室長saorinです。
今日は、先日開催した、保育園での出張ワークショップのレポートをお届けします。

保育園!
まだ就学前の5歳児です。(字が書ける子もいるみたいですが・・・)
正直に言いますと、最初お話をいただいたときは、む、ムリ!と思いました(笑)
でも、この園児たちの写真への興味がなかなかすごいらしくて、写ルンですで撮って現像出しに行ったり、フィルムを見たり、写ルンですを実際に分解してみて仕組みはどうなっているのかを見たりしてるとか。

うわーー本当に分解してます。

そんな、カメラ・写真に興味津々な子どもたち向けに、「カメラと写真で遊ぼう!」と題したワークショップを開催してきました。
よろしければ、ぜひレポートをご覧ください。(前編・後編あります)

保育園ワークショップ「カメラと写真で遊ぼう!」準備・実験編

保育園ワークショップ「カメラと写真で遊ぼう!」当日編

保育園ワークショップ「カメラと写真で遊ぼう!」当日編

ワークショップ撮影:菓子京子

さて、保育園ワークショップ、いよいよ本番です!

ワークショップは朝10時くらいからだったので、ラッシュの時間帯。
せっかく作った箱カメラをつぶしたくなくて、久しぶりにトランクを利用。
そしたらUVライトなどが入らなかったため、登山ザックが出動しました(笑)

外観を撮影するのを忘れましたが、今回ワークショップを開催させていただいたのは、世田谷区の保育園「烏山杉の子保育園分園みなみ風」さんです。

子どもたちの写真は、個人情報のため撮影はNG。(残念)
でも、子どもたちの手やカメラなどのワークショップの様子はOKということで、いつもホトリの公募展イベントに参加してくださる菓子京子さんに撮影をお願いしました。(本当にありがとうございます!)

後ろに子どもたちがもう来ています(笑)

まずは、「写真は太陽の光で写る」ということを伝えたくて、プロジェクターを使ってお話をしました。

そこで、太陽の光で写真は写るんだよーという説明の前振りで、「太陽はすごい力を持っています!ずっとお外に出ているとどうなりますかー?」(日焼けが正解)と聞いたら、みんな声をそろえて「熱中症!!!」という答えが返ってきて爆笑でした。うん、正解!(笑)

子どもたちに触ってもらうために、一眼レフ・二眼レフのカメラを持って行ったのですが、二眼レフが大人気。
上からのぞくこの不思議なスタイル、見たことがない子どもが多かったようです。

そして、いよいよ箱カメラの登場!
(実はこのワークショップの前日に全個数完成したというぎりぎりの準備でした)

喜んでくれるかな~とみんなに渡しました。
最初、??とのぞき込んでいた子たちも、みんなスクリーンに映ったさかさまの逆転像を見て、目がキラキラ!
「す、すごーーい!!!」
プロジェクターで、外の景色がさかさまに映って、その壁に映った絵をなぞって、昔の絵描きさんは絵を描いていたんですよー(カメラの原型、”カメラ・オブスキュラ”)の話をしても、正直いまいちピンと来ていなかったようですが、百聞は一見にしかずですね。

みんな同じ箱なので、ラベルを用意して先生に名前を書いてもらいました。

いざ、コピアート紙をセットして、お庭へ!

みんなの箱カメラをテーブルにセットして並べます。
この日、結構風が強かったので、養生テープで固定しました。(動くとずれてしまいます)

みんな箱カメラをのぞいて、ピントを合わせます。

露光して待っています。
今日は暑いねえ。。。

できたかな?
セットしたコピアート紙を取り出して、アイロンをあてます。

保育園のお庭の色んなものが写っておりました!
が、ちょっと露光時間が足りなかったかな。難しいですね~。

コピアート紙は、アマゾンで購入できますので、また違う日に実験してみてね!

そしてお次はサイアノタイプ。
別の日のお散歩で、子どもたちは葉っぱを集めてきてくれました。

それらをサイアノタイプペーパーに乗せます。

UVライトで露光します。
7~8分くらいでした。

水で洗浄したあと、オキシドールを吹きかけると濃い藍色になりました!

僕の葉っぱこれだ~

就学前の子どもたちですが、字が書ける子もいました。
質問タイム!

カメラ、何個持ってますかという質問。
何個だっけ。。。(適当に10個と答えておきましたが(笑))

最初に見せた二眼レフを気に入ってくれて、名前が「ヤシカフレックス」と知って、ノートにカメラと一緒に名前も書いてくれました!
ちゃんと二眼レフになってるー!saorin先生感動です。

というわけで、保育園ワークショップ、無事終了いたしました。

正直、私自身は初めての試みでドキドキでしたが、子どもたちの喜んでいる様子が見られて本当にやってよかったと思いました。
翌週、保育園WS担当の方から、子供達が本当に喜んでいたとメールが来て一人でジーン。
週明けさっそく「箱カメラやりたい!」と声が上がっていたそうです。
長らくカメラ・写真業界で色々やってきたけど、教えること自体がこんなに嬉しかったのは初めてかもしれません。
いや大人の皆さんにワークショップやレッスンやって喜んでもらえるのもうれしいんですけどね(笑)

今回を機に、全国の子どもたちにカメラや写真の楽しさを教えることができたら・・・と今後の新たな抱負ができました!

お声がけくださった烏山杉の子保育園分園みなみ風の職員の皆さま、ありがとうございました。

そして、もし子どもたちにワークショップ開催の企画がもしありましたら、全国どこでも駆けつけます!^^
ご連絡お待ちしております。

保育園ワークショップ「カメラと写真で遊ぼう!」準備・実験編

保育園ワークショップが正式に決まって、まずは準備・実験編です。
もともとお声がかかったのが、2013年の夏に開催した、こちらのイベントがきっかけでした。
(既に9年前・・・もうこの子たちも成人してるかもしれない)

「こどもが撮る写真展」

こどもたちの、こどもたちによる、こどもたちのための写真展を開催しました。

その中で、実験写真家の上原ゼンジさんにお願いして開催してもらったのが、「手作りカメラを作ろうワークショップ」

チップスターの空き箱とルーペが材料の、手作りカメラでした。
この時は対象が小学生以上だったので、実際に参加した子どもたちにカメラを作ってもらいました。

チップスター筒カメラのスクリーンの内側に、アイロンで現像できるコピアート紙をセットし、露光します。

写ったー!!

こちらはわたくしsaorinのマイカメラ。

ホトリのライトがさかさまにスクリーンに映し出されていますね。

この時の筒カメラを参考にして、試作したベータ版がこちら。
家の中のライトなどがさかさまに映っていますね。

ちなみにチップスター筒ではなく、黒い厚紙を利用して箱から作りました。
(過去にいただいたまま、ホトリに大量に保管されていた黒厚紙・・・取っておいてよかった)

ホトリの前で、コピアート紙をセットして実際に写るか実験してみます。

この箱カメラの難点は、外の日差しが強いとスクリーンに何が写っているのかわからないところ。(太陽の下のスマホと一緒ですね)
黒い箱をかぶせてその中からのぞくと、景色が見れました。

車が通るとわかりやすいです。

そして撮れたのがこちら。
うーん、確かに↑で見えていた景色と同じ感じですが、結構白飛びしてしまいました。露光時間が長すぎたようです。

改良することにします。
スクリーンがむき出しだと外で景色が見づらいので、見やすくなるように筒部分も作ります。

シャッター部分も作りました。

箱カメラ、完成です!
右側のベータ版と比べるとだいぶ長くなっていますが、焦点距離は同じルーペなので一緒です。
のぞくための筒を作った分、長くなっているんですね。

さっそく、完成形の箱カメラで撮影実験です。

ホトリの前に止まっている車を試しに撮ってみたところ、写りました!
この日は少し曇り空。最初の実験時に比べて、今度は露光時間が足りなかったようです。

とりあえず無事写ったので、子どもたちのために量産します。
本当はこのカメラを作るところから体験できるとよかったのですが、はさみとカッターを使うためそこは5歳児、無理!

完成です!

これだけ数が並ぶと圧巻ですね!
ポイントは、ちゃんとズームレンズにしているところなんです。

そしてややおまけ的な実験。
メインは↑の箱カメラで写真を撮ってみる体験なのですが、その日のお天気のコンディションで待ち時間がだいぶ変わるのと、待つのって子どもたちは少し飽きてしまうかも・・・と、もう一つの体験を用意しました。

いわゆる日光写真、サイアノタイプです。

ホトリでも、過去サイアノタイプのワークショップを開催したことがあるのですが、(レポートはこちら>>>) 薬品を扱うので子どもたちにやってもらうには不向き。

で探していたら、なんとアマゾンでもうそのまま使えるサイアノタイプのペーパーキットを発見。

薬品混ぜて塗らなくてよいので超らくちんです。

ちょうどおあつらえ向きの平たいカメラ型クリップがあったので、こちらを使ってみました。
サイアノタイプペーパーの青い方を上にして、その上にクリップを置き、キットになっているアクリルカバーをのせます。
(本当は紫外線透過量的にガラスの方がおすすめです)

UVライトで露光します。
太陽光でももちろんよいのですが、いかんせん紫外線量が安定しないんですよね。
このUVライトなら屋内でも露光時間は確実に同じなので、こちらを利用しました。(大体7~8分くらい)

クリップを外します。もともと青かった部分が白く感光し、クリップが置かれていたところは光が当たらなかったので青いままですね。

水で洗浄します。
この時点ではやや薄いなあ~という感じなのですが、

怪我した時に塗る、オキシドールを吹きかけるとあら不思議。
サンプルのような濃い藍色になりました。

オキシドールは体についても安全なので、おすすめです!(100均一にも売ってますね)

さて、準備・実験完了!
いよいよ保育園ワークショップ本番です。