こんにちは。ホトリ室長saorinこと織田です。 先日開催された、Gokko×写真企画室ホトリ みんなのフォトグラビュール展のレポートをお届けします。
この公募展は、東駒形の銅版画工房 Gokkoさんと、写真企画室ホトリとのコラボ企画。 昨年初開催で、今年2回目となりました。
公募展の概要は、こちらのページをご覧くださいね。
まずは、会場の様子から。
ゲスト作家として今年も展示に参加いただいた、櫻井朋成さんの作品をご紹介します。 櫻井さんの作品は、紙漉きアーティスト・リズさんの紙に、パリで活躍するフレンチシェフの竹田(ちくだ)シェフの料理、そして櫻井さんの写真とフォトグラビュールという、幾重にも素材が重なったものでした。 リズさんの紙には花びらが漉き込まれていて、櫻井さんが撮ったお料理のお花とも相まって何とも可憐な印象に。 華やかで美しく、そしておいしそうな櫻井さんの作品。堪能させていただきました。 以下、櫻井さん自身による作品の紹介テキストを掲載いたします。
今回の作品はパリで活躍するフレンチの竹田和真(ちくだかずま)シェフと赤澤香里シェフ・パティシエのお料理を撮影。 以前から作品にしたいと思っていたが華やかなその料理はモノクロが基本のグラビュールでは中々難しい。そんな中、同じアトリエにいる紙漉きアーティスト、リズ(Lise Morisseau)と出会い、彼女の漉いた花びらを散らした紙を使ったら表現できるのではと考えた。 料理の色合いをつけるために刷る際に何色かのインクを版において一回で刷っている。当然そのための版を作っている。この作品を作ることで、フォトグラビュールの表現の自由さをみていただければ幸いだ。
Chou vert farci aux légumes d’Hiver – champignons sauvages, sauce au vin jaune, par le Chef Kazuma Chikuda 冬野菜のキャベツ包み、野生の茸、ヴァンジョンヌソース / 竹田和真シェフによる
Amuse-bouche — Chips de graines de légumes, praliné de graines de courge et purée d’abricot fermenté, par le Chef Kazuma Chikuda アミューズブッシュ 野菜の種のチップスと、カボチャこ種のプラリネ、発酵アプリコット / 竹田和真シェフによる
feuilles d’automne - Mirabelle, siphon au yaourt grec, sorbet à la mirabelle, poivre aux agrumes et huile de menthe,par la Cheffe pâtissière Kaori Akazawa 秋の葉 ミラベル、ギリシャヨーグルトのサイフォン、ミラベルのソルベ、柑橘風味の胡椒、ミントオイル / 赤澤香里シェフパティシエによる
櫻井さんの作品は、このように浮かせて額装しました。
その際、ルーニィさんにこちらののりを教えてもらいました。グディ ローラードットです! 貼ってはがせるのり。展示が終わってからどきどきしながらはがしたのですが、全くダメージなし! これは買うべしですね。皆さんルーニィさんでぜひ!
櫻井さんの今年のプロフィール。イラストがかわいい! 櫻井さんのプロフィールテキストも掲載いたします。
櫻井 朋成 パリ在住写真家。19世紀の伝統的な写真製版による銅版画「エリオグラビュール」 との出会いをきっかけに、本格的な作品制作をスタートさせる。カメラ・写真誌「Cameraholics」(ホビージャパン)の創刊に携わり、連載を執筆中。 現在では自らフォトポリマーグラビュールで作品も制作を中心にコロタイプ、レタープレスなど写真製版での作品を鋭意製作中。
そして、好評の櫻井さんのマルシェドアート。 初日はたくさんあったのですが、最終日には完売となりました。
Pentax17のファーストロールより 倉田義也(Gokko)
Gokko倉田さんの作品。 ハーフフィルムカメラ、Pentax17のファーストロールのショットを、フィルムの暗室手焼きの時のコンタクトシートをイメージして版を制作したそうです。
このように版も一緒に展示していただきました。
では、出展者の皆さまの作品をお一人ずつ紹介していきます。
saturday in the park nov
ベルリンにて CAVA
面影 髙橋マキ
Tomoko Takatori
sand ripples Akie Maeda
前田 潤 patchwork
神はサイコロを振らない SU
GO! 69 →70 オオキイクミ
刻まれてゆく記憶 Ⅱ 岡田 和歌子
海の小部屋 OE Taisuke
別れの予感 遠藤 志岐子
若草と枯木 上小澤 能蔵
Once upon a time, in a forest… masa*
Cuban Cat rieky
bon appétit simarisu
Russian Blue Cat’s Riku sato3riku / 池田 智
今日も夜になる ナカムラミホ/ちゅん子
佇む回廊、光のささやき A. Inamura
あわい 綿谷 正之
蒼い刻 竹端 榮
わたくし織田の作品は、入口近くのこちらに3点展示しました。
孤高 saorin / 織田 紗織
黒い紙に銀色のインクで刷った作品。
明暗 saorin / 織田 紗織
上は白い紙に黒いインクで刷っており、下は黒い紙に白いインクで刷っています。 なので、こちらの作品は明暗を反転させた版が2つ存在します。
白い紙に黒いインクで刷るノーマルタイプは、割とどんな写真でもいけるのですが(淡い感じでも割と出ます)、黒い紙に白いインクは、写真そのものがコントラストがはっきりしたものでないと、紙の黒にインクの白が負けてしまって、わかりづらくなります。
雲上散歩 saorin / 織田 紗織
こちらの作品は、白い紙に黒いインクを1度で普通に刷っているのですが、この雲のふわっとした感じがよく出ています。
本当に、フォトグラビュールは表現の描写の細かさに圧倒されます!
初日。オープンから盛況です。
初日に駆けつけてくれたGokko倉田さんと、ホトリ室長織田。記念にツーショット撮っていただきました!
そして、↑でもご紹介している、櫻井さんの作品の紙を制作した、紙漉きアーティストのリズさんが来てくださいました!
うれしくてさっそく記念撮影。
リズさんは現在、紙についての勉強のために、日本に長期滞在されているそうです。 先日は高知に、そして来週は美濃へ行かれるとか。
リズさんの上手な日本語、織田のつたない英語、そして時々フランス語(たまに知ってる単語があった)で色々お話しました。紙について色々お聞きできて楽しかったです!
リズさんの紙作品も見せてもらいました!
これは、長ネギを漉き込んでいる紙。緑色!
こっちはなんとバナナの皮! この黒い斑点が、バナナの皮が黒く変色したところなんだそうです。 なんでも紙の材料になるのが不思議!
ちなみに、通常の和紙の材料、楮や三椏、雁皮も使用。 楮などの材料配分が多くなると、色はより白くなるんだとか。
リズさん、ありがとう! しかも写真に写っている手漉きの紙、プレゼントでいただきました^^ バラの花びらが漉き込まれた紙。何の作品に使おうかな~
最終日は、毎回恒例のギャラリートークを行いました。 今回はグラビュール展ということもあり、作品の制作プロセスもお聞きできて、いつもよりもさらに興味深かったです。
最後、皆さんでこれまた恒例の集合写真! 櫻井さんも一緒に(笑)
というわけで、みんなのフォトグラビュール展、全会期を終了いたしました。 今回は2回目の開催でしたが、昨年の初開催に比べて、なんとレベルの高いこと・・・! 昨年からずっとGokkoさんに通い続けて作品を制作している方もたくさんいらして、写真はもちろん、インクの色も刷り方も本当にさまざま。 皆さんすばらしかったです。
フォトグラビュールのおもしろいところは、インクジェットでは出せない表現ができること。 色分けしてみたり、刷った後から着色してみたり、さらには白いインクで刷るという表現もあります。 インクジェットには白のインクという概念はないので、これもグラビュールならではの表現方法だと思います。 撮ったその写真から、どういう風に刷ろうかな、そんなことを考えるのがグラビュールの楽しさ。 皆さんの作品から、そんなことを思いました。
ご来場くださった皆さま、出展くださった皆さま、ゲスト作家の櫻井さん(紙漉きアーティストのリズさんも)、そして今回もご一緒いただいたGokkoさん、本当にありがとうございました! また来年もぜひ開催したいと思います。