川野恭子写真展 ~When an apple fell, the god died レポート

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こんばんは。ホトリ室長saorinです。
大変遅くなってしまいましたが、先日大盛況の中終了した、川野恭子写真展 ~When an apple fell, the god diedのレポートをお届けします。
搬出は展示が終了してから日にちを空けて行いましたが、片づけてしまうのが本当に惜しくなるくらい、美しい作品たちでした。

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入口には可動式のついたてを2枚並べて設置し、そこにDMイメージにも使用されたメインビジュアルを展示しました。
アワガミさんにロールのプリント出力をしてもらった、とても大きい作品です。

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撮影:アワガミファクトリー工藤さん

自分らしさを求めて林檎園をさ迷い歩くイメージで、作品を吊り下げて展示しました。

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作品に使用されている紙は、写真集と同じ、アワガミファクトリーさんの楮 厚口 生成です。
少し黄色みがかった暖かい色合いが、古めいた古書と、西日にあふれるイメージを見事に再現してくれました。

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撮影:アワガミファクトリー工藤さん

ついに、禁断の果実を見つけ、手を伸ばす。
その先に、何があるのか。
神の象徴でもあり、科学の象徴でもある林檎が朽ちて落ちた時、それは神が死んだ瞬間でもあり、求めていたものは禁断の果実からは得られないことに気づく瞬間でもある。

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撮影:アワガミファクトリー工藤さん

「When an apple fell, the go died」
「林檎が落ちた時、神は死んだ」

タイトルのインパクトが強く、死生観や宗教的な要素が強い展示なのかと思われたかもしれません。
ですが、神の死は決して悲愴的な意味ではなく、むしろその行きつく先には救いの光があふれているような、そんな作品展でした。

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オープニングイベントとして最初の2日間だけ、tocolierさんにインスタレーション作品を制作、展示していただきました。
川野恭子さんの今回の展示は、わたくしsaorinとの合作写真集「When an apple fell, the go died」から生まれたもの。
その写真集の世界観を、tocolierさんが見事に表現してくださいました!
インスタレーション作品についての詳細は、tocolierさんによるとても素敵なレポートをご覧くださいね。

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生花を使用した作品のため、2日限定の儚い作品。
ですが、その儚さがまたよいのかもしれませんね。

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インスタレーション作品がある2日間だけ、鑑賞&撮影イベントを開催しました。

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皆さん、ぐるぐると順番に周って、さまざまな角度からの撮影を楽しみました。

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撮影会もひと段落し、ちょっとしたギャラリートークがスタート。

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私も、少し撮影させていただきました。
どこを切り取っても、本当に美しいシーンばかりでした。

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tocolierさんにインスタレーション作品を制作してもらうのは初の試みでしたが、新しいイベントのひな形が生まれた、そんな気がしました。

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作品のテーマは「エデンの園」。そして主役は、中央にある知恵の木。
展示中も、展示終了後も美しい影を作り出してくれました。

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エデンの園は2日で消失しましたが、後にその名残が。

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川野恭子×saorinの合作写真集「When an apple fell, the god died」がどのような経緯で最終的な完成形に向かっていたのか、途中経過の紙選びや素材なども展示しました。
かなり手間のかかる完全手製本のため、今回完全オーダー制で受注しましたが、本当にたくさんの方にご注文いただきました。
(現在、少しずつ制作を進めております。お手元に届くまでかなりお時間を頂戴しますが、何卒ご理解くださいませ。)

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会場には、あちらこちらにドイツの哲学者、ニーチェの格言が。
Gott ist todt!とは、神は死んだ、という意味。

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吊り下げた作品の裏側にも、川野恭子さんの心に留まったニーチェの格言をあしらい、全体の世界観を統一させました。

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川野恭子さんの写真を用いた来年のカレンダーやポストカードセット、写真パネル、写真冊子を販売。
ちなみに、在庫わずかですが、壁掛けカレンダーとポストカードセットのみ、年内いっぱいホトリ通販部(オンラインショップ)で販売いたします。

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シークレットパーティーも行いました。
もちろん、乾杯のドリンクはシードル。

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本当にたくさんの人に来ていただきました。

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会期中、写真の残しかたワークショップも毎日行いました。一部ご紹介します。
こちらはジェルメディウム転写パネル。

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アワガミの水張りパネル。

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革のカメラ型フォトチャーム、手縫いのワークショップもご参加いただきました。

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また、会期中1日だけ、アワガミの工藤さんにご協力いただき、プリントコンシェルジュワークショップを開催。

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皆さん、思い思いの写真をアワガミ用紙でプリント体験していただきました。

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特に、この雲流は和紙ならではの繊維が特徴の用紙で、敬遠しがちなのですが、写真によってはとてもはまって素敵に仕上がります。

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工藤さん、ありがとうございました!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA撮影:アワガミファクトリー工藤さん

工藤さんに撮っていただいた、きょんさんとのツーショット。
ありがとうございます!

1212-37撮影:戸崎さん

最終日、たくさんの方が駆けつけてくださり、皆で記念に集合写真。

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会期中、雪が降るほど寒い日や、工事でホトリ前の道路が陥没している日もありましたが、無事、全13日間を終了いたしました。
2度も3度もご来場くださる方、北海道や九州、四国、関西など日本全国からはるばる足を運んでくださる方、展示作品をじっくり、何度も鑑賞してくださる方。
前回の川野恭子写真展「そこここ」も素晴らしかったですが、今回はさらにそれを上回る展示となりました。
本当に、きょんさんには感謝の気持ちでいっぱいです!

きょんさん、ご来場くださった皆さま、遠方からご注文くださった皆さま、本当にありがとうございました!